風と眺めがあれば_2024/8/13火/晴れ
食べものを選ぶときに、これだけは守りたいというものはなんでしょう?
産地とか添加物とか値段とか、いろいろ頭をよぎりそうだけど、
やっぱり「味」はゆずれないんじゃないでしょうか。
なにはなくても、いま食べたい味がいちばんなのでは。
で、その味つけには、味噌や醤油、なんとか風味などがある、と。
しかし、大事なのは、「塩味」ではないでしょうか。
塩味が感じられなくてはおいしくありません。
出来合いを買わずに、たとえばじぶんで生肉を焼くときだって、
醤油やスパイスがなかろうが塩さえ振りかければその肉は食事になります。
料理の基本という旨みも、旨みだけでは食べた気にならないはずです。
あと、つけ加えるとしたら「甘さ」でしょうか。
いまなら、桃やブドウが甘いだけでもおいしく食べられます。
「塩味」と「甘さ」があれば、食事はなんとかなります。
その「塩味」や「甘さ」は、多くても少なくてもいけません。
今日は濃いめのギトギト味の味噌ラーメン、とか、
そのときに食べたいちょうどいい加減の「塩味」「甘さ」を、
そのつど人は選んだりしています。
そして、食べたいときにその食べたいものを選ぶように、
休憩したいときにも、ふさわしい場所を選べるといいですね。
このときも、体で感じる「味」が大事なのではないかと思っています。
心地よさにつながる、その場所の「味」です。
空調、日陰、椅子、静けさ…と、心地いい味はいろいろあります。
そのなかで、外せないのはなにかと考えると、
それは「風」と「眺め」ではないかと、最近は思うようになりました。
風はそよ風くらいのやつです。
もちろん、「暑い」や「寒い」はダメです。
焦げたり凍ったりした肉が食べものではないように、
暑い、寒い場所は休憩場所ではないのですね。
ただ、多少の暑さ寒さなら「眺め」と「風」がカバーするようです。
たとえば、こんな場所は心地いいものです。
普通のコーヒーチェーン店なんだけど、
オープンテラス席はいつもいい風が吹いていて、
しかも、目の前の下り坂の先までスウっと見渡せて気持ちいいとか。
公園のなかの、風が抜ける広場にベンチがあって、
左端のやつがいちばん眺めがいいということもあります。
それから、暑くも寒くもない日に、浜の防波堤に座ってみるのも爽快です。
眺めがよくて風にふかれるのは、もう最高!
でも、なんで?
わたしが思うところによると、
なにかが「流れる」のが気持ちいいみたいです。
空気なのか気なのかエネルギーなのか、わからないけど
なにかが流れる感覚がするのです。
意外ですが、天気は関係ないみたいです。
雨の日でも、遠くが見えてそよ風にあたれたら、
いい気分になれるんですよねー。
とにかく「風」と「眺め」があればなんとかなる。
こころが元気になれるみたいです。
先日、新しくできた都心の商業施設に行きました。
丘の上にあって、最近の建物らしく、随所に緑がくみ込まれていました。
ビルの間から遠くの景色が見えるところもあります。
そこでわたし、気持ちいいポイントを二つ見つけました。
手前の交差点から風が抜け上がる屋外通路と、
広場の最上階の手すり付近。
こういう「へ?」というところ、設計者が考えた休憩所ではありません。
だけどどちらも、「いい場所だ」と少年とか外国人観光客が見つけていて、
先に座ってたりするんですよね、不思議なんですが。
ほとんどの大人は、暑さを避けて施設内の飲食店で休んでました。
必ずではないけれど、休むときにそこの心地よさを検討しててみる。
このことが広まるといいなと思います。