【数学】さらっと読む数学小噺 第1話 ~n進法のルールと2進法~
みなさまこんにちは!LIT数学担当のtaroです!
突然ですが皆様は、自分の生活の身の回りに潜む数学や、数学のちょっとした面白い話を知っていますか? 今回から、そんな数学のちょっとしたトピックについてゆるくお話していくシリーズとして、「さらっと読む数学小噺」を始めて行きたいと思います。
1.このシリーズで伝えたいこと
なぜ、このシリーズを始めていこうと思ったかというと、私の経験上ではありますが、数学という分野はよく、小難しい、ややこしい、めんどくさい、嫌い、と思われることが多いと感じます。その中で、私は少しでも皆様に、数学を「好き」、「面白い」と思ってほしいと思い、このシリーズを始めようと思いました。
なぜtaro先生は数学が好きで面白いと感じるの?ということは、こちらの記事で語っていますので、ぜひ読んでいただければ幸いです。
それでは、早速始めていきましょう!
2.n進法とは何か?
n進法については、過去の記事でざっくり説明していますが、今回改めてここで説明したいと思います。(過去の記事を読みたい方は以下のリンクから!)
n進法は、高校で習う概念で、一言で説明すると「数の表し方の種類」のことを言います。では、どうやって数を表すか、というと、n種類の文字を使って数を表します。(ここでのnは正の整数、つまり自然数となります)例えば、私たちは普段、0.1.2.3.4.5.6.7.8.9、これら10種類の文字を使って数を表す、10進法を扱っています。
例えば、1234という数は、10進法であれば、10³(千)の位に1、10²(百)の位に2、10¹(十)の位に3、10⁰(一)の位に4という数が割り振られていることになります。
ところで、10進法以上って何の文字を使うの?という疑問がある方もいらっしゃると思います。その時は、0~9の文字に加え、さらにA.B.C…とアルファベットを用います。例えば16進法であれば、0~9に加え、A.B.C.D.E.Fを用いて表すことになります。
今の現代においては、主に2進法、8進法、16進法、10進法が主に使われています。特に2進法については、古代から実は使われています、それでは一体どのように2進法は古来から使われ、そして今に活用されているのでしょうか?
3.古来における世界最速の伝達技術と2進法
時代はインターネットが発明、発展する前の時代、その伝達技術の起源はなんと紀元前7世紀の中国によるものです。
それが、狼煙です。
狼煙は昔、乾燥したオオカミのフンを枯れ草や枯れ木と一緒に燃やして煙を上げ、それを使って情報を伝達したことが始まりです。アニメとかで、煙を出す信号弾を打ち上げて知らせる場面を見たことがあると思います。イメージつきましたかね?
この狼煙、地味にすごいのです。気候に左右されるという欠点を除けば古来で世界最速といわれています。その速さは、時速約160キロもあります。
これはなんと、東京大阪間で情報を(直線距離では)2時間半で伝えられます。
これと2進法の何が関係あるの?と思うかもしれません、そこで、2進法について思い出してみましょう。
2進法は、0.1の2つの文字を使って数を表す表し方を指します。
同様に狼煙には、狼煙が上がっている状態と上がっていない状態の2通りの表し方があります。これを、0という数に狼煙が上がっていない、1という数に狼煙が上がっているということを当てはめると、まったく同じことが言えます。
(Taro先生は絵心がありません。ごめんなさい)
例として、狼煙が上がれば敵の襲撃があったという共通認識さえあれば、すさまじいスピードで敵が来ている、来ていないの情報を伝達することができるわけです。当時の人の叡智ってすごいですねぇ。
実は、今では光ファイバーという形で、応用されていたりします。
ですが、ここから更に莫大な情報を扱うようになった現代では、どのようにその情報を扱っているのでしょうか?これを次項で説明いたしましょう。
4.莫大なデータの表し方と2進法
さて、現代に生きる私たちは普段、莫大な情報を扱っています。その中で2進法は、必要不可欠な存在となっています。では、どのように扱っているかのお話を始めましょう。
皆さんは、データの量の表し方は聞いたことがあると思います。そう、キロバイト、メガバイトやギガバイトなど、○○バイトみたいなやつです。
そして1バイトは、8ビットと表されます。また、1キロバイトは、1024バイトになります。
さて、簡単にイメージしてみましょう。この1ビットに、入る情報というのは2つです。これもまた、2進法の0と1がかかわってきます。1ビットで表せる情報は狼煙1本と同じ、つまり、1ビットは狼煙1本とイメージしてみましょう。そして、これが2ビットになると4つ、3ビットになると8つの情報が入ります。なぜか。これは「場合の数」のお話になりますね。
文章で説明すると冗長になってしまうので、一気に図でまとめてしまいましょう。
急に数学やり始めて頭が痛くなった人もいると思いますが、ここでは「こんな感じで数学が使われてるんだ~!」くらいで大丈夫です。
ビット君が増殖するたびに扱える情報が2倍になる。もしかしたら、そんなに増えないじゃん。と思っている方がいるかもしれませんが、この、2倍になっていくというのは恐ろしいことです。
確かに1ビットでは、2個の情報しか入りません。ですが、1バイト(8ビット)ならどうでしょう。その数実に256個です。1キロバイトはどうでしょう。1024×8がビット数、つまりその数8192。2の8192乗個。考えたくないので計算はしません(笑)。
と、長々と書きましたが、この2進法(厳密にいうと8進法、16進法も使っていますが)という概念は、今の私たちの生活に必要不可欠かつ、豊かな情報を提供してくれています。
実は今、何もコンピュータはそれだけではなくなっています。
実はこんなにも大量のデータを扱うことが出来るにもかかわらず、技術の進歩はすごいもので、それでは今の技術では満足出来なくなってきています。
そこで、今は量子コンピュータという狼煙が上がっているのと上がっていないのとその中間を表す、いわゆる3進法を用いた凄まじいコンピュータが出来てきています。
改めて、数学ってすごいですね。
まとめ
さて、今回はn進法の概念、そしてその中の特に2進法についてスポットライトを当てて解説させていただきました。私が書いているこの文章も、あなたが読んでいるこの文章もすべて、裏では2進法で表されています。普段あなたが見ている電子的なものは、この2進法で処理されています。
ところで、あなたの身近に潜む数学は、何もこれだけではありません。この記事を通じて、一緒に「おもしろい数学」を学んでいきましょう!
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!次回の記事をお楽しみに!
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