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【数学】数学者の軌跡~ピタゴラス編

 みなさん、こんにちは!LITのノスケです。今回は「数学の偉人たちの軌跡」シリーズの第一弾として、数学の偉人たちが何を考え、どのように数学を発展させていったかを話していきます。


「数学者の軌跡」に込める思い

 「みなさん、数学は好きですか~?」と質問して好きだと答えてくれる人は少ないと思います。数学が好きでない人が多い一番の原因は、ただ公式だけを暗記してしまうので、覚える量が多いことだと思います。しかし、本来、数学は元となる考え方があって、その考えを様々な人が発展させた結果様々な公式等に派生しました。そのため、元となる考えを理解することができれば、公式を丸暗記しなくてもよいのです。
 そのため、本来数学は覚えることはめちゃめちゃ少ないです。しかし、公式だけを丸暗記すればよいと思っている人は覚える量が多いと感じてしまいます。
 今回からの「数学者の軌跡」シリーズでは数学者が作った公式や数学者の発見を取り上げ、それはどのような考えに基づいて作られたのかを取り上げ、数学の基本となるような考え方を身に着け、公式を暗記するので暗記量が多いという問題を解消したいと感じ、今回のシリーズを作りました。

ピタゴラスって誰?

ピタゴラスは紀元前6~5世紀の古代ギリシャの数学者です。またピタゴラスは教団を作り、そのトップにもなります。

ピタゴラスの功績

タイルで発見【三平方の定理】

 ピタゴラスはある日、散歩していると床が直角三角形のタイルが敷き詰められた床を見てこの定理を発見したといわれています。

 タイルが以下のように並べられたいたと考えましょう。また、この赤い三角形のタイルのそれぞれの辺の長さは次の通りです。

図1 タイルの様子
図2 タイルから取り出した三角形

 この時の青い正方形の部分(正方形A"B"C"D")の面積S₀について考えましょう。

図3 タイルの青い部分(正方形A"B"C"D")

 A"B",B"C",C"D",A"D"の長さは図2の直角三角形の斜辺の長さに等しいから長さはすべてcになります。
そのためS₀は一辺がcの正方形といえるので$${S₀=c^2}$$…① となります。
また、S₀はS₀=四角形ABCDの面積ー赤い三角形のタイルの面積×4…②
とも考えることができます。


図4

まず、タイルABCDの面積をS₁,タイルから取り出した三角形の面積をS₂と置きます。


図5 タイル全体の面積

次に、S₁を考えていきましょう!
辺ADの長さは
AD=AA"+A"D
AD=b+a
辺ABも同様にAB=b+a
S₁=AD×ABより
$${S₁=(b+a)^2}$$
$${S₁=b^2+a^2+2ab}$$…③


図5 S₂

またS2についても考えていきましょう!
タイルの面積は
$${S₂=1/2 ab}$$…④

 ②,③,④,図4より
$${S₀=S₁-4×S₂}$$
$${=(a^2+b^2+2ab)-4×1/2 ab}$$
$${=(a^2+b^2+2ab)-2ab}$$
$${=a^2+b^2}$$…⑤
また、①と⑤より
$${S₀=c^2=a^2+b^2}$$
となります。

 こんな感じでピタゴラスは三平方の定理を見つけたのではないでしょうか?私たちも今回、直角三角形のタイルが敷き詰められた床から、三平方の定理を導き出せました。そのため、私たちも実質ピタゴラスということになります。数学が苦手だと思っている人も、「私は三平方の定理を導けたので、私はピタゴラスと同じ…、天才数学者が解けない問題なんてない!」という強い気持ちをもって、問題を解いてやりましょう!

ピタゴラスがやらかしたこと

 ピタゴラスは、発見した三平方の定理を使って様々な計算をしていました。そんな中、ピタゴラスに教団の弟子がきて次のような指摘をしてきます。
「ピタゴラスさん一辺が1の直角二等辺三角形について三平方の定理で斜辺の長さを考えると、
$${1^2+1^2=x^2}$$
この式を解くと$${x^2=2}$$ってなったんですけどこんな数字ってありましたっけ?」
こんな指摘をもらったピタゴラスは困ってしまいます。
なぜかというと、この$${x}$$を計算すると1.4142…とつづきます。
ピタゴラスは教団を作る際、
「すべての数は整数比で表すことができる(すべての数は有理数である)」と公表してしまいました。そのため、ピタゴラスは整数の比で表すことのできない1.4142…(無理数)という数を認めると、過去のピタゴラスが間違っていたことを認めることになってしまいます
ここでピタゴラスはここで最大のミスを犯します。それはこの弟子を殺し、この数の存在を隠蔽しました。このことによって数学の発展が何年も遅れたといわれています。(諸説あり)

三平方の定理を応用した数学者泣かせの「悪魔の問題」

 最後にピタゴラスとは違う人の話にはなってしまうのですが、ピタゴラスが考えた三平方の定理を応用した悪魔の問題について話していきます。
 ピタゴラスが発見した三平方の定理ははギリシャで有名になり、古代ギリシャの数学者ディオファントスという人が作った「算術」という本にも載ることになりました。そして長い年月が過ぎ、フェルマーという人物がこの「算術」という本を見つけます。そしてそこに乗っている問を解いていきます。そこでフェルマーは三平方の定理に出会います。
 そこでフェルマーは$${a^2+b^2=c^2}$$の2乗のところを3乗,4乗…と増やしたときの$${a^n+b^n=c^n}$$(*nは3以上の整数)について考えます。
 フェルマーはa、b、cが整数かつnが3以上なら、この式を満たす整数a、b、cは存在しないと予想しました。しかし、自分でたてたこの予想でしたが、「私はこの問いに対して画期的な証明法を考えたが、それを記すにはこの余白が狭すぎる」というかっこつけた言葉を残し、証明しませんでした。適当をかましたフェルマーのせいで、この予想を解くために何人もの数学者が挑み、打ち負かされたことから、この予想は悪魔の問題といわれていました。もうすでにこの問いは証明されていますが、証明するのに約300年間かかった伝説の問題です!

まとめ

 今回はピタゴラスがどのようにして三平方の定理を考え付いたのかを主に話していきました。今回のように、三平方の定理を思いついた元の考えを知っていれば、三平方の定理をいちいち覚えなくてもよいということになります。今後もこのシリーズでどのように公式や定理を数学者たちが考えたのかを一緒に学んでいきましょう!今回もご覧いただきありがとうございました。
 次回のこのシリーズではチェバとメネラウスという数学者がそれぞれ考えた定理についてなぜそのように考えたのかなどを話していきます。ぜひ次回もご覧ください!!

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