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毎朝の健康観察「はい、元気です」への違和感
リスナー&事務局のひろみです。
小学2年の娘がいます。
ある日、お風呂に入っているとき、娘が言ってきました。
「学校で毎朝、健康観察ではい、元気ですって言うんだけど、『調子が悪いときは悪いって言っていいんじゃない?』ってAちゃんに言ったら、『そんなこと言う人、誰もいないからイヤだ』って言うんだよね。でも、それってさ、自分の体に嘘つくことになるんだよ。」
その後の私とのやりとりが以下です。
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私「そうかー。みんな、そうじゃなくても、はい、元気ですって言うんだね。あなたはしょっちゅう頭が痛くなるけど、そうは言わないの?」
娘「言わない。だって、お母さんが検温表に書いてくれて、先生はもう知ってるから。」
私「そうか、先生が知ってくれたらいいんだね。みんなに知ってもらいたい、とは思わない?あー今日、Oちゃん(娘)、学校来てるけど頭痛いんだなって。」
娘「うーん。知ってもらえたらいいかなぁ」
私「でも、頭痛いです、とは言わないんだね。そして、だれも、今日は喉が痛いです、とか、朝ご飯を食べてこなかったからお腹がすいています、とか、出る前にお母さんにいろいろうるさく言われて、ちょっとムカムカしてます、とか言う人はいないんだね」
娘「なにそれ、面白い。そんなこと言う人、誰もいないよ(笑)」
私「みんな、そういうの言えて、そんな体の調子や気持ちがいろいろありながらここに居て、今日、ちょっとやっぱりしんどそうだな、とか、調子悪いからイライラもするのかな、とか思い合えたら良くない?」
娘「そうだねー。でもやっぱり言えないな。」
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なんだか、話していて切なくなってしまいました。
リスママでは、講座や打ち合わせの冒頭、「チェックイン」というのをしていて、その際にしばしば「ボディスキャン」をしたり、今の気持ちを言ったりします。
ボディスキャンというのは、自分の体に意識を向けて、上から下まで順繰りにスキャナーのように状態を読み取り、「頭はスッキリしている、肩がこってる、背中は汗ばんでいて、手足の先は冷たい」など、隅々まで感じて、それを言葉にしていきます。
不思議なもので、それだけで少し落ち着いたり、その場への集中力が増したりします。
また、他の人がそれを聞いてくれたことで、受け入れてもらえた感じがし、その場の安心感と温かさが増す気がするんです。
そんな文化は、私も大人になってから、と言うより、リスママと関わるようになって初めて知りました。
それまでは、私も体調を敢えて人に伝えることはなかったかもしれません。
学校でも職場でも平気なフリして、いよいよ限界になったら、自分からというより、周りから、もう、無理しないで保健室行けば、とか、帰っていいよ、と言われて、すみません、と言ってそうする、というような。
たまたま娘とその話をした数日後、娘のクラスが学級閉鎖でオンライン授業になり、その「はい、元気です」の様子を画面越しに見ることになりました。
もう、今の私には、違和感しかありませんでした。
「お母さん、連絡帳に書こうか?」と言ったら、傍で聞いていた夫が「うるさいお母さんだねぇ」と言ってきました。
そうよね、今の学校で、「はい、元気です」についてあーだこーだ言ったら「うるさい親」という位置づけになるよね、と想像できます。
でも、これ、大事なことだと思います。
「自分の体に嘘をつく」
せっかく、幼いうちからそんな感覚を持っているのなら、その感覚を大切にして欲しい。
そして、嘘をつかずに済む、何でも安心して出せる、そんな環境に身を置いて欲しい、そんな環境を作ってあげたいし、自分でも作っていけるようになって欲しい。
だけど、私も「やっぱり言えない」のかしら…?
今度、20分話してみようと思います。
(これだけ長く書いて、オチはそこかいって自分ツッコミ。でも、こういうモヤモヤを好きに話して宝を探せるのがおはなしデーです。皆さんも、些細な違和感なども話してみて下さいね。)
(2022年2月4日の記事より)
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