簡単にプラゴミを減らそうって言うけど
教室でエコやSDGsについて生徒に考えさせて、安易な結論を共有するのは、いかがなものかと思います。プラスチックの使用を減らせばいい。
レジ袋有料化のとき、ビニール袋業界は反対の声をあげた。プラスチックも産業だ。削減の動きは業界にとってマイナスだ。レジ袋有料化に続く流れはあるのだろうか?
ペットボトルに課税してはどうか?
ペットボトルのサイズでリサイクルのために税金を課せば、使用量や消費量が減らせる。ただし、ドリンクの消費量を減らしてしまうと、ドリンク業界が困る。もちろんペットボトルメーカーは大打撃だ。ドリンク業界を守るには、量り売りやマイボトルで飲み物を売る仕組みが普及しなければならない。
紙パックはプラスチックを代替できるのか?
紙の生産には大量の水が必要だ。プラスチックボトルやパッケージを紙に置き換えると、紙の消費量が増える。紙の原料になる木材と水も必要だ。本当に紙の消費量を増やしたいいのだろうか?
繰り返し使うボトルや瓶に問題はないのか?
繰り返し使えるボトルは、洗浄に耐えられる強度が必要だ。リターナブルボトルは、洗浄のために水の使用量を増やす。ペットボトルより強度がある分、重量もあり、輸送コストが増える。トラック一台で輸送できる量は減るので、大容量販売や大容量輸送を基本にしないと採算もよくない。もちろんマイボトルが完全普及すれば問題は少ない。
関連業界にも目を向けて
日本では自動券売機がとても普及している。ペットボトルの使用量を減らすなら、自動券売機も減らす覚悟がいる。ペットボトルで売っているものはドリンクだけではない。関連業界にも目を向ける必要がある。プラスチックボトル前提の使用を議論する必要がある。
包装と容器を大量消費しているのは間違いない
課税すれば減らせる。禁止すると自由がなくなるが、課税であれば、どうしても必要なら税負担をして使用すればいい。課税すれば、現在の流通を変えることはできる。だけど、代替するものが提供できないなら、別の問題が発生する。だから変革を躊躇する。しかし、無策で問題を継続するべきではない。議論する必要があるのは、代替案や何に置き換えるかということである。プラゴミを減らせばいいなんて、わかっている。議論させなくてもわかっている。その次を考える議論をさせよう。