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英語|『Beneath Devil's Bridge』の感想
Beneath Devil's Bridge
詳細
作者: Loreth Anne White
出版: 2021
ジャンル: ミステリー・サスペンス
英語難度: CEFR B2(TOEIC900前後)
Amazon: 4.4/ 3.7万レビュー
音声:12時間弱
朗読者:女性2人
著者
作者はLoreth Anne White、南アフリカ出身の女性で、現在はカナダに住むベストセラー作家です。
あらすじ、物語の進み方
物語は20年以上前にカナダのバンクーバー郊外の小さな町で起こった凄惨な事件、当時14歳だった女子学生が激しい暴力のあとに殺されてしまう事件で当時彼女の通う学校の教師が自白して逮捕され事件は解決しています。
犯人は犯行の自白以外の供述を拒んだため動機などは謎のままになっていました。今になってTRUE CRIMEのポッドキャストを運営している女性が犯人の彼にインタビューをするところから物語が進んでいきます。
またポッドキャスターの彼女が当時事件を担当した警察官の女性の過去の視点を通して当時の事件の様子が語られます。
英語の難度
はじめの何章かは犯罪の描写などがあり、難しい単語もありましたがそれを除くと難しい単語もそこまでたくさん出てきませんでした。描写も丁寧でわかりやすく、内容を把握するのに苦労はありませんでした。
感想
物語は二人の主人公の視点で進行します。一人はポッドキャストを主催する女性で、もう一人は事件を担当していた元刑事の女性です。私はオーディオブックを併用して読みましたが、二人のパートは別々のナレーターが朗読していたため、音声も聞きやすかったです。
話の内容は、中学生くらいの子供たちの友人関係やいじめ、性への関心、そして自分の子供を守りたいという親の気持ちが複雑に絡み合う中で発生した事件が描かれます。
この小説はミステリー・サスペンスに分類される作品だと思いますが、謎の解明よりも事件に関わった人々の行動や心の動きを丁寧に描写しているのが印象的でした。事件が引き起こしたトラウマは長く続き、克服が難しい。事件は一応「解決」されるものの、それが原因で生じる様々な苦しみが、まるで錆びた釘が心に打ち込まれているかのように、人々の中に長い間残り続けているのです。人間の心情を丹念に描写しながらミステリーとして物語を構成する、作者の巧みさに感動しました。後半には、泣けるシーンも多くありました。
英語読書について
10月半ばに読み始め、11月3日に読み終わりました。久しぶりにライトノベル以外の英語の小説を読了できたのが嬉しかったです。この作家さんの他の作品も面白そうなので、続けて読んでみたいと思います。