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パリ歩き|憧れのニケとオリンピック
オルセー美術館に続きルーブル美術館へ。
どちらもずいぶん前から訪れたいと思いつつ、ドイツからは比較的簡単に行ける距離であることから「まあ今度」と言い続けていた。
それが今回行くことにしたのは、まだ世界中からの旅行客は完全には戻ってきていないのではないかと思ったからだ。
ところが訪れた2月10日は、翌11日がゼネストで休館予定となっていたせいか、かなりの人出。
結局11日は直前に一転、開館が決まったようだった。…くぅぅ
ちなみにオルセーもルーブルもユーロ圏在住であれば26歳まで入館料は取らないということで、長女は無料で入れた。このあたりの文化的な豊かさはさすがだ。
さて、ルーブルもとても1日では回りきれない。
一応、館内案内つきのオーディオガイドを借りてみたが、Nintendo 3DSのそれはとても使いこなせず、かといってすぐに「いいや、使わなくて」とも割り切れず、無駄に格闘して疲れた。(途中でバッテリーが切れて解放された)
今回、私が特に見たかったのは、エーゲ海のサモトラケ島で発見された彫像「Victoire de Samothrace(サモトラケのニケ)」である。
翼の生えた勝利の女神「ニケ」が船の舳先に降り立った様子を表したこの像、紀元前200年ごろの作品といわれる。(「Nike」の社名はこのニケからですね)
あまり美術品に造詣が深くない私があれこれ語るのは野暮かと思われるので控えるが、生身の人間よりも生身の美しさがあるように思えてならない。
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2021年に1年遅れで開催された東京オリンピックの閉会式終盤、次回大会の開催地パリへの引き継ぎの映像でフランス国歌が流れるシーンがあった。(↓2:26:00ごろから)
パリの街を舞台に場面が変わっていくなか、ルーブル美術館内にカットが移る。
打楽器奏者が並ぶ「ダリュの大階段」の頂点にニケを見つけたとき、全身がぞくっとしたのを覚えている。(「でもそれってフランスのものじゃないよね?」ということは置いておきます)
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まさしく勝利の女神ニケは、スポーツで競い合う美しさを象徴するものだろう。
毎回、なにかと醜聞の絶えない祭典となっているが、どこかオリンピックの力を信じたい自分がいる。
パリ大会にニケの祝福がありますように。