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マルタ散歩 〜イムディーナ〜
2017年2月に訪れたマルタ島でのいろいろ、の続きです。
古都イムディーナへ
EU首脳会談の行われていた首都ヴァレッタを抜け出し、バスで西に約30分、ヴァレッタよりも古い歴史のある古都「イムディーナ(Mdina)」まで足を延ばした。
こちらは内陸だが、同じく城壁に囲まれた小さな町だ。30分もあればぐるりと見てまわれる。
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町全体が穏やかなはちみつ色というか、この独特な色味に包まれている。
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ヴァレッタに比べると人もずっと少なく静か。
高台に位置するせいもあるのか、実際に音がしないというだけではなく、佇まいや空気がひそやかなのだ。
といっても、よそよそしいわけではなく、むしろどこか記憶の奥底でつながっているような親密さが感じられた。
見知らぬ街を歩いていると、ふとこういった感覚になることがある。ここもそれを強く感じる場所だった。
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城門の外はラバトという別な町。
移動などで昼食を取りそびれていたので、15時ごろなにか簡単に食べられるものを探した。
城門を出てすぐのところに、小さな店があった。地元民らしいおじさん何人かが出入りしている。
直感でここにしようと決めた。
店内は狭く、飲みものなどもおいてあるキオスク的な感じ。
みなさんが食べているものを注文してみた。
「パスティッツィ(Pastizzi)」と呼ばれる小さなパイだ。
店内で焼かれているが、馴染みのお客さんが手伝わされていた。これは絶対おいしいに決まっている。
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焼きたて熱々がこちら。近くの公園のベンチでいただく。
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当時の価格は30セント=50円弱
高校生だったら毎日帰りに寄る
マルタではポピュラーな軽食らしく、リコッタチーズ、グリーンピースなど何種類かある。
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軽くペースト状になっている
予想通り、これが本当においしかった。
先ほどパイと書いたが、もっと歯ごたえがしっかりしている。サクッではなく、ザクッとかガリッとした食感。
グリーンピースはじっくりと火を入れられ、豆のたんぱく質の滋味がほっこり際立つ。穏やかなスパイスの香りとも絶妙なバランスだ。
たぶん、この時間帯とイムディーナの空気、そして温かな日差しもおいしさに貢献したに違いないが、このためにまたマルタを訪れようという気さえする。
はちみつ色の古都散歩とパスティッツィ、忘れられないマルタの午後になった。
次は小さな港町「マルサシュロック」へ。