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今週の新着論文(2021.10.18~10.22)

今日は10月19日にアップした論文について簡単にご紹介いたします。

◆2021年 10月 19日 【脳機能】
α-カロテンの血中濃度が高いほど認知機能が向上する
J Nutr Sci. 2021 Aug 16;10:e64. 

◆概要◆
認知機能低下のリスクがある集団において、血漿中の栄養素と認知機能の関連を調査した。その結果、血漿中のα-カロテン濃度が最も高い3分の1の参加者は、最も低い3分の1の参加者と比較して、グローバル認知力のzスコアが0.17と高かった(P 0.002)。
今回の研究では、認知機能低下のリスクがある米国の集団において、血中のα-カロテン濃度が高いほど、グローバル認知スコアが高くなることが示された。
血中のα-カロテン濃度が高かったのは、果物やその他の野菜の摂取量が多く、バターやマーガリン、肉類の摂取量が少なかったためである。

◆Pickup Point◆
カロテノイドの研究はよく行われていますが、そのなかで今回はβ-カロテンではなく、α-カロテンについての研究内容でした。
論文中にも記載されていますが、血漿中α-カロテンレベルに寄与する食品群と食事パターンを調査した結果、果物、ナッツ、野菜の摂取が血中のα-カロテンレベルの上昇と関連していました( すべてP <0.05)。
サプリメントによく使われているカロテンはβ-カロテンですので、α型のカロテンを摂取するのはやはり果物やナッツ、野菜、特にニンジンに多い(可食部100g中に3,200mg)ので、サプリメントに頼ることなく、野菜類を意識して摂りたいものです。

このほか、今週ピックアップした論文は以下の通りです。

◆2021年 10月 22日 【妊娠・産後】
妊娠初期の血清フェリチン濃度が高いほど妊娠中の収縮期血圧と拡張期血圧が高くなる
◆2021年 10月 21日 【小児】
【横断研究】Cu / Zn比は慢性疾患を持つ子供における炎症状態と亜鉛欠乏のリスクが高いことを示している可能性
◆2021年 10月 20日 【COVID-19】
【横断研究】感染者は潜在的な非感染者に比べて亜鉛濃度が有意に低い
◆2021年 10月 19日 【脳機能】
α-カロテンの血中濃度が高いほど認知機能が向上する
◆2021年10月 18日 【歯科】
【Review】肥満と歯周炎の組み合わせは、脂肪組織を介して全身に影響を与えるレベルまで炎症を増幅し、更に歯周炎の悪化を加速させる

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