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野球もビジネスも面白くない時代が来る?!

AIを使うのが当たり前になると、人間が自身の頭で考えなくなると言われています。確かインターネットが登場した時も、同様のことが言われたいたような気がします。これは日本人の特性なのかもしれませんが、自分の頭で考えたり、汗をかいて苦労するのが好きな人が多いのかもしれません。

最新のテクノロジーが登場した時は、手放しで喜ぶ人だけではなく、もちろん反対派もいるわけで、賛否両論です。きっと、馬車や自動車が登場したときも、自らの脚で歩かなくなるから足腰が弱くなると言われていたのかもしれません。

テレビが普及したときも、テレビを見るとバカになる(テレビはスイッチをオンにすれば番組をやっているので、受動的な人間になり自ら考えなくなる)と言われていたそうです。これは、先輩経営者が言っていました。

話は変わりますが、メジャーリーグの殿堂入り選手であるイチロー氏と松井秀喜氏が、データ分析に過度に依存する現代野球への違和感を「最近の野球は面白くない」と表現しました。

この言葉は、現代野球だけでなく、現代のビジネス社会が直面している本質的な課題を鋭く突いています。なぜなら、今まさに多くの企業が同じ課題に直面しているからです。過度なデータ重視が、人間本来の創造性と情熱を失わせ、ビジネスから「面白さ」を奪っているのではないでしょうか。

情熱大陸でのイチロー氏と松井氏の対談の場面では、昨今のメジャーリーグはデータ野球に偏重しすぎて"面白くない"と。2人ともそう言っていました。
これメチャ大事で、データであるサイエンスを積み重ねていった結果は、みな同じ回答になります。答えを出すことが野球の究極的な目的ならばそれで良いでしょう。

しかし、野球ってホントにそうなのでしょうか?

野球の目的は、野球というスポーツを通じて世界中の人を魅了し、心豊かなものにすることじゃないの?世界中の人の心を繋ぐことじゃないの?だとしたら、正解、不正解、成功、失敗が入り混じった世界が正しいのじゃないのかなぁ?正解は出るけど面白くない

正解はなかなか出ないからこそ面白いんじゃないの?
AIなどの革新的なテクノロジーが出てきて人間本来の素晴らしさを忘れてんじゃないの?と思いました。もっとスポーツで喜怒哀楽が満ち溢れる方向に舵を切らないとね!

デジタルトランスフォーメーション(DX)の波が押し寄せる中、企業経営におけるデータ活用は不可避となっています。ある調査によれば、日本企業の87%が「データドリブン経営」を重要課題として挙げており、実に65%の企業がAIやビッグデータを意思決定に活用しているとのことです。

確かに、データ活用には明確な利点があります。
私がコンサルティングを行った地方の製造業では、需要予測の精度が向上し、在庫回転率が改善。人員配置の最適化により、残業時間は前年比20%減少しました。経営の不確実性を低減し、安定的な経営を実現する上で、データの活用は極めて有効なツールとなっています。

しかし、ここで重要な問いを投げかけます。
予測可能で、失敗のリスクが極めて低い仕事に、人は本当にやりがいを感じることができるのでしょうか?

心理学者のミハイ・チクセントミハイは、人が最も充実感を感じる「フロー状態」は、「適度な困難さ」と「成功の可能性」がバランスする時に訪れると説明しています。つまり、結果が100%予測できる仕事からは、本質的な満足感は得られないのです。

実際、過度なデータ依存が引き起こす弊害を、以下の3つの観点から詳しく見ていきましょう。

1.モチベーションの科学的メカニズム
心理学者のエドワード・デシの自己決定理論によれば、人間の内発的動機づけには「自律性」「有能感」「関係性」の3つの要素が不可欠です。データに依存した意思決定では、

自律性:判断の主体が個人からデータへと移行
有能感:予測可能な結果では、達成時の満足感が低下
関係性:データ通信が人間同士のコミュニケーションを減少

これらの要素が損なわれることで、モチベーションの低下が起こります。

2.創造性とイノベーションの心理学
創造性研究の第一人者であるテレーザ・アマビールの研究によれば、創造性は「専門性」「創造的思考力」「モチベーション」の3要素から成り立ちます。データ偏重は、

専門性:表層的なデータ解釈に依存
創造的思考力:既存パターンの踏襲を助長
モチベーション:チャレンジ精神の減退 をもたらし、組織の創造性を低下させます。

3.組織活力の低下メカニズム
組織行動学の見地からは、以下の負のスパイラルが観察されます。

a) 予測可能性の増大 → チャレンジ精神の低下
b) リスク回避の常態化 → 新規アイデアの減少
c) 失敗体験の減少 → 学習機会の喪失
d) 画一的な判断基準 → 組織の同質化
e) コミュニケーションの形骸化 → 組織の硬直化

では、この状況を打破するために、経営者は具体的に何をすべきでしょうか?私は「感性とデータのデュアルモード経営」を提案します。

1.意思決定の領域分け
データと感性のバランスを取るため、業務を3つの領域に分類し、それぞれに適した意思決定方法を採用します。

a定型業務(70%):データ活用による効率化
・受発注管理、在庫管理、勤怠管理などの定常業務
・AIやRPAを活用し、人的ミスを最小化
具体例:ある製造業では在庫管理にAIを導入し、発注の自動化により従来3時間かかっていた作業が30分に短縮

b改善領域(20%):データと感性の併用
・既存製品・サービスの改善
・顧客の声(定性データ)と売上データ(定量データ)を組み合わせた分析
・具体例:飲食店での新メニュー開発において、売上データと調理人の経験を組み合わせることで、季節限定メニューの当たり率が従来の30%から70%に向上

c) 革新領域(10%):感性重視の大胆な挑戦
・新規事業開発、新市場開拓など
・経営者や従業員の直感を重視し、データは参考程度に
・具体例:老舗の織物メーカーが、職人の感性を活かして医療用特殊繊維分野に参入し、新規事業として成功

2.「創造的失敗」を推奨する評価制度
失敗を恐れる組織文化を変革し、挑戦を称える評価の仕組みを構築します。

a) 四半期ごとの「ベスト失敗賞」の設置
・選考基準:①挑戦の大胆さ ②失敗からの学びの質 ③組織への共有度
・報奨制度:金銭的報酬より、経営者との直接対話の機会や新規プロジェクトのリーダー任命などの権限付与
・具体例:ある中小企業では、新商品の開発に失敗したチームが、その過程で得た市場洞察を基に、より革新的な商品の開発に成功

b) 失敗から得られた学びを組織的に共有
月1回の「失敗学習会」の開催(60分)
・前半30分:失敗事例のプレゼンテーション
・後半30分:参加者全員でのディスカッション
・失敗事例のデータベース化と社内共有
・具体例:建設業の企業では、工事の失敗事例をデータベース化し、新人教育に活用することで、重大な施工ミスを80%削減

c)挑戦プロセスを重視した人事評価
・評価項目の見直し:結果偏重から、プロセス重視へ
・挑戦性(30%):課題の難易度と挑戦の度合い
・創造性(30%):アプローチの斬新さ
・影響力(20%):他メンバーへの波及効果
・結果(20%):最終的な成果
具体例:営業部門での評価を、単純な売上達成率から、新規開拓手法の創造性や顧客との関係構築プロセスも重視する形に変更

3.感性を磨く組織文化の醸成
データに頼りすぎない、人間本来の感性を育む組織づくりを行います。
a)週1回の「データフリーミーティング」
・時間:朝一番の30分間
・ルール:数値データの言及禁止

b) 現場観察と直感的判断の訓練
・「顧客の表情から感じ取ったこと」
・「製品を使う時の顧客の仕草」
・「社内の雰囲気の変化」
・具体例:小売企業での実践により、接客スタッフの観察力が向上し、顧客満足度が15%向上
・「五感観察日誌」の導入
 視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の5つの観点からの気づきを記録
 週1回のシェアリング
・「直感力強化ワークショップ」の定期開催
 第一印象の共有と検証
・ケーススタディによる直感的判断の精度向上
 具体例:製造現場での異常音や振動の察知能力が向上し、機械トラブルの早期発見率が40%向上

c)部門横断的な対話の場の創出
「クロスファンクショナルランチ」の実施
 毎週異なる部門のメンバーとランチ
 業務課題ではなく、個人の関心事をテーマに
・「逆転の発想会議」の定期開催
 通常とは異なる視点からの問題解決
 部門の枠を超えたアイデア出し
 具体例:営業部門と技術部門の対話から生まれたアイデアにより、新製品開発期間が従来の半分に短縮

これらの取り組みを通じて、データと感性のバランスの取れた組織づくりを実現し、持続的な競争優位を確立することが可能となります。

完璧な予測可能性を追求することは、皮肉にも組織の生命力を奪います。
真の経営とは、データと人間の感性を融合させ、適度な不確実性という「スパイス」を加えることなのです。

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