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血中カロテン濃度が高い女性は動脈硬化が少ない

血中のカロテン濃度が高いことは、動脈のアテローム性動脈硬化の程度が低く、したがって心血管疾患のリスクが低いことに関連しているようだ、というスペイン・アウグスト・ピ・スニェル生医学研究所(IDIBAPS)からの研究報告。

アテローム性動脈硬化症は、血管の内壁に脂肪、特に LDL または「悪玉」タイプのコレステロールが蓄積する。この蓄積は 、血管の内径の狭小化を引き起こし、それによって血液循環を妨げる。さらに、これらのプラークは 破裂して 血流を妨げる血栓を形成する可能性があり、 血液が心臓に到達しない場合は 心筋梗塞(心臓発作)、脳に到達しない場合は虚血性脳卒中を引き起こす可能性がある。

研究チームは、DIABIMCAPコホートの一部を構成する 50歳から70歳までの204人を調査した。参加者は、血液中のカロチン濃度 と、超音波画像法による 頸動脈内のアテローム性動脈硬化プラークの存在という 2 つのパラメータに関して分析された。

アテローム性動脈硬化症のある参加者 (n = 134) は、アテローム性動脈硬化症がない参加者よりも大きな HDL 粒子のレベルが低かった。α-カロテンと大および中HDL粒子の両方との間に正の関連が見られ、β-カロテンと総カロテン、およびVLDLとその中/小粒子の間には逆の関連が見られた。アテローム性動脈硬化症のある参加者は、アテローム性動脈硬化症がない参加者と比較して、総カロテンの血漿中濃度が有意に低かった。アテローム性動脈硬化症プラークの数が増加するにつれて、カロテンの血漿濃度は減少したが、多変量調整後、β-カロテンと総カロテンとプラーク負荷との逆相関は女性でのみ有意なままだった。

「この研究は、 血中の カロテン濃度が高いほど 、特に女性の場合、アテローム性 動脈硬化症の負担が軽減されると結論付けています。したがって、果物と野菜 、つまりカロテンが 豊富な食事は、アテローム性動脈硬化症のリスクを低下させることが確認できます」と研究者はコメントしている。

出典は『Clinical Nutrition

http://dx.doi.org/10.1016/j.clnu.2023.05.005


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