短く激しい運動の蓄積が死亡リスクを低下させる
1回2分、週15分の激しい運動が死亡リスクの低下に関連するようだ、という豪州シドニー大学からの研究報告。
研究チームは、英国バイオバンクから心血管疾患やがんのない成人 71,893 人のデータを解析した。平均年齢は 62.5 歳、56% が女性だった。参加者は、手首にアクティビティ トラッカーを 7 日間連続して装着して運動量を測定した。研究チームは、毎週の活発な運動の総量と、2 分以下の突発的運動の頻度について検討した。参加者は平均 6.9 年間追跡された。研究チームは、研究の最初の年に発生したイベントを除外し、活発な運動の量と頻度と死亡(全死因、心血管疾患およびがん)、ならびに心血管疾患およびがんの発生率との関連を分析した。
その結果、活発な運動の量と頻度が増加するにつれて、5つの有害な結果すべてのリスクが減少し、それは少量でも利益が見られたという。 たとえば、活発な運動をしていない参加者は、5 年以内に死亡するリスクが 4% あったが、毎週10分未満の活発な運動でリスクは2%に半減し、60分以上で1%に低下した。
1週間にわずか2分間の激しい運動と比較して、15分間の激しい運動で死亡リスクは18%低下し、心血管疾患の可能性が15%低下した。12分間の激しい運動でがんのリスクが17%低下した。活発な運動の量が多いほど、さらなる利益が観察された。たとえば、週に約 53 分の激しい運動は、あらゆる原因による死亡のリスクが 36% 低下することと関連していた。
頻度に関しては、激しい運動を1日平均4回(最大2分間)繰り返すと、死亡リスクが27%低下した。しかし、健康上の利点はさらに低い頻度でも観察されたという。週に10回の短い突発的運動は、心血管疾患とがんのリスクをそれぞれ16%と17%低下させた。
「この結果は、1週間のうちに短い突発的で活発な運動を蓄積することが、私たちの寿命を延ばすのに役立つことを示しています」と主任研究者のマシュー・アーマディ博士は述べている。「時間の不足が定期的な身体活動に対する最も一般的に報告されている障壁であることを考えると、日中に散発的に少量を蓄積することは、忙しい人にとって特に魅力的な選択肢かもしれません。」
出典は『欧州心臓ジャーナル』
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