
間欠断食は減量に有効であり、肥満問題を抱える人々の心血管の健康を改善する
研究チームは、間欠的な断食(日内の摂食期間を減らし、絶食時間を延長すること)が減量に効果的であることを『ネイチャー医学』誌に発表した。
従来のカロリー制限を順守し続けることが難しい状況に直面して、新しい栄養戦略が登場している。その 1 つが間欠断食で、数時間から数日にわたる断食期間と食事期間を交互に繰り返すものである。近年人気を集めている断続的断食の 1 つは、摂食期間を減らして日内の断食時間を延ばすものだ。これは 時間制限食として知られている。
今回研究者らは、3 つの異なる断食戦略を用いた 12 週間の介入の効果を調査した。3 つの異なる断食戦略とは、早期断食 (9:00~17:00)、後期断食 (14:00~22:00)、および自己選択断食 (自分で食事をしたい時間帯を選択でき、平均して 12:00~20:00 の間に食事をする) である。
このランダム化比較多施設試験は、これまでで最大規模の試験の 1 つで、30 歳から 60 歳の合計 197 人(50% が女性)が参加した。参加者は、対照群(49 人)、早期断食(49 人)、後期断食(52 人)、または自己選択断食(47 人)のいずれかのグループにランダムに割り当てられた。
研究結果によると、間欠断食は、内臓脂肪を減らす上で栄養教育プログラムを超える利点は示さなかった。しかし、摂取のタイミングに関わらず、断食グループは、少なくとも12時間の摂取期間を継続した通常の治療グループ(対照群)と比較して、平均3~4kgの大幅な減量を達成した。特に、早期断食グループは、腹部の皮下脂肪、つまり皮膚のすぐ下の脂肪を大幅に減らした。
この研究では、介入前と介入終了時の14日間、参加者が装着した持続血糖モニターを使用して、空腹時血糖値と24時間血糖値も評価した。結果によると、早期断食グループは、他のグループと比較して、空腹時血糖値と夜間血糖値が大幅に改善した。
研究者らは、断食群の遵守率が高く、深刻な有害事象は記録されなかったことを強調している。したがって、間欠断食は、太りすぎや肥満の人の体重管理と心血管の健康改善のための安全で有望な戦略である。この情報は、そのような集団に対する栄養介入の有効性を改善するために非常に重要となる可能性がある、と研究者らはまとめている。
出典は『Nature Medicine』