日常での1-2分の激しい運動が寿命を延ばす
日々の生活の中で、1分程度の息を切らす激しい運動を1日3-4回することで、早死リスク、特に心血管系疾患によるリスク、が大幅に低下するかもしれない、という豪州シドニー大学からの研究報告が『ネイチャー医学』誌に掲載された。
これは、研究者らが「激しく間欠的なライフスタイルの身体活動」(VILPA) と呼んでいるものの健康上の利点を正確に測定した最初のものであるという。
VILPAは、1-2分の短時間に極めて激しい運動を日常生活の中で実施するものであり、たとえば、バス停にダッシュしたり、猛烈な速足で会議室に向かったり、子供たちと激しく動きまわるゲームをしたりするといったことである。
研究者らは、英国バイオバンクで測定された手首に装着した身体活動量計のデータを使用して、余暇にスポーツや運動をしていないと自己申告した、25,000人を超える「非運動者」の身体活動を解析した。
この方法により、研究者らは、日常生活の一部として行われた偶発的な身体活動のみを対象とすることができた。その後、研究チームは健康データにアクセスし、参加者を 7 年間追跡した。
解析の結果、研究者らは、1分間のVILPA を毎日 3 ~ 4 回行うだけで、全死因およびがん関連の死亡率が最大 40% 減少し、心血管疾患に関連する死亡が最大 49% 減少することを発見した。
この研究は観察研究であり、因果関係を直接立証することはできない。ただし、研究者らは、結果が参加者間の健康状態の違いによって説明される可能性を最小限に抑えるために、厳密な統計的手段を講じたという。
「これらの調査結果は、大規模な集団で収集された場合に、身体活動の詳細かつ客観的な測定値がどれほど価値があるかを示しています。これらの貴重なデータを生成するために活動モニターを7日間着用した100,000人の英国バイオバンク参加者全員に非常に感謝しています」と研究者はコメントしている。
出典は『ネイチャー医学』
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