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血中代謝物は妊婦の地中海型ダイエットの良好な指標になる

血中代謝物の測定は、自己申告による食事情報よりも、妊婦の地中海型ダイエットの、より客観的な指標の可能性がある、というシンガポール国立大学などからの研究報告。

地中海型ダイエットは、オリーブ オイル、ナッツ、果物、野菜、豆類、魚、全粒穀物の摂取量が多いことを特徴とする食事パターンである。ランダム化対照試験と観察研究は、一般集団と妊婦の両方で、血糖コントロールと全体的な心臓代謝プロファイルに対する地中海型ダイエットの有益な効果を一貫して実証している。

研究チームは、「Fetal Growth Studies-Singletons」コホートの妊婦186名を対象に、食事摂取とメタボロミックプロファイルを測定した。食事摂取は、妊娠8-13週と16-22週に測定され、地中海型ダイエットへの順守度が代替地中海型ダイエット(aMED)スコアで評価された。空腹時血漿は16-22週に採取されメタボロミクス解析が実施された。

459種の代謝物中、64種および41種の代謝物が、それぞれ妊娠初期と妊娠中期のaMEDスコアに関連していた。14種の代謝物が、両方の期間において地中海型ダイエットに関連付けられた。これらの代謝物には、血漿脂質、アミノ酸、および糖アルコールが含まれていた。

一部の代謝物の濃度はaMEDスコアと正の関連があったが、他の代謝物の濃度はスコアと逆の関連があり、妊娠中の複雑な母体の生理機能を反映していたという。

今回の調査結果はまた、地中海型ダイエットが、異なる生理学的経路におけるその役割を通じて、さまざまな母体の結果にどのように関連している可能性があるかについても光を当てている。特に、これらの代謝物は、妊婦の地中海型ダイエットへの順守度を定量化するための新たな客観的指標となる可能性がある。

「私たちの発見により、妊娠中の個人の地中海型ダイエットへの順守度を定量化するための新しい客観的評価として役立つ可能性のあるいくつかの代謝物が特定されました。この調査結果は、地中海型ダイエットとさまざまな妊娠合併症との根本的な関連を説明する明確な経路への洞察も提供します」と研究者はコメントしている。

出典は『Clinical Nutrition


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