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ALL AROUND ME

地獄のような8月を過ごしていた。ブラウニーピアスのGtとして共に暗躍していた友人が急逝した。永く眠ると書いたとして、覚めないソレを眠りとは呼びたくない。それは詩ではない。2010年から今の今まで当たり前だった、ありふれたくだらない話は、たった一晩でもう二度と過ごせない宝物になってしまった。

通夜で最後に見た奴のギターのボロさ、普段は見てもいられないのだが。なぜかとても美しいものに見え、しばらく目を奪われてしまったのもきっと彼のせいにすればいい。20の頃から付き合いがあると考えると10年少しとか。思えば初めて絡んだ同年代バンドマンだった。スプリットツアー、ツーマン企画、モルヒネコ、PJJと対バンする機会なら多かったし、私たちは恐らく誰の目から見ても友人だった。それはこれを書いている2022年11月も変わらない。彼を置いて私はひとつ年を取った。先に老いた癖に置いていかれた気がするなんて、なんて勝手なんだろう。

祈りは時々届かないことがあり、祈ったという事実だけが不格好に残る時がある。ただ、それは誰かにとって生きる理由になり、今回の友人の旅はもしかすると私にとって音楽と、ギターとこれからも生きる理由になるのかもしれない。

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