日本語にはない韓国語②色んな韓国製漢字語たち 일본어엔 없는 한국어②
漢字は「表意文字」ゆえに、1つ1つの文字の意味を組み合わせてオリジナルな単語を作ることもできる。
日本で作られた「和製漢語」として馴染み深いものに「火事」「立腹」「芸者」「哲学」「野球」「失恋」などがあるそうだ。これらは元々、中国語にはなかった日本オリジナルの単語だが、中にはその後、中国や朝鮮半島に「逆輸出」されたものも多く、「野球(야구)」「哲学(철학)」「失恋(실연)」は韓国語でもそのまま使われている。
「和製漢語」があるように、朝鮮半島で作られた「韓製漢語」も当然、存在する。そしてその多くが日本語にはないので、韓国語学習の過程で「見知らぬ漢字語」として覚えていかなければならない。とはいえ同じ「漢字文化圏」の民族同士、漢字を見ればほぼ意味がわかるはずなのだが、いかんせん現代の韓国では漢字はほぼ使われずハングルで書かれるので、どの漢字かを推定しないとなかなか正しい意味に辿り着かない。
今回はそんな「日本語にはない韓国製漢字語」を紹介したい。
漢字で書くと「盛了」。だいたい想像がつくだろう。意味は
日本語にも「終了」「完了」「満了」「修了」など「終わる」という意味を含む「◎了」という漢字語はたくさんあるのに、なぜか「盛了」はない。
以前、記者をしていたこともあり、「パーティーは盛況のうちに終了しました」と言うより「盛了しました」と言うほうが短くて済むし、ニュースの見出しなどにも使えて便利だと思うのだが、韓国から日本に輸入される気配はない(笑)
ちなみに「盛了」は中国語にもないので、完全MADE IN KOREAである。
これも日本語にあったら便利なのになあと思う韓国オリジナル漢字語の1つ。
「提報」と書いて「情報提供する」という意味だ。
韓国のニュース番組などを見ていると、エンディングのところに「제보:xxx@kbs.co.kr」のようなテロップがよく出る。
この「提報」も中国語にはない韓国オリジナル漢字語のようだ。
日本語には「通報」という類義語があるが、「通報」と言うと警察などの公的機関に対する緊急性を伴う情報提供のようなニュアンスがあり、どこか大袈裟だ。これに対して「제보」は「うちの裏山でツチノコを見かけたので取材に来て下さい!」みたいな些細な情報をテレビ局に提供する時など、どんな状況でも気軽に使える感じがする。(ツチノコを知らない人は若いと思って下さい(笑))
これも放送に関する言葉だが、「欠放」と書いて「放送休止」を意味する。
他にも字面から凡その意味が推測できるものに
などがあり、それぞれ日本語では
このうち「失足」「出戦」「会同」は中国語にもあるので、なぜ日本でだけ使われなくなったのか謎である。
一方で
など、字面からは意味が推測しにくいものもある。
それぞれ
「落点」は朝鮮時代に役人を選ぶ時、王が登用する人の名前の上に点を打ったことからできた言葉のようだ。朝鮮半島でだけ行なわれた慣習から、中国や日本にはないオリジナルな漢字語が作られたのかもしれない。
「旧面」は「顔面」「面識」などから「古いツラ」と考えれば「ああそうか」となる。
「阿附」は日本語の辞書にも「あふ(阿附、阿付)」として載っているが、まず使う人はいないだろう。「阿る」は「おもねる」と読むので、漢字に詳しい人にはわかるかもしれないが。。。
最後に4文字からなる韓国オリジナル漢字語を3つ紹介しよう。
2語ずつに区切ると日本語でも使う簡単な漢字語ばかりだが、4文字に組み合わされると何のことかわからない(笑)
いずれも直訳しにくい単語だが
ぐらいの意味になる。
「行脚」は「お詫び行脚」「講演行脚」など、「~をして色んな場所を回る」という意味で使われるが、韓国語でも全く同じで「사기행각(詐欺行脚)」「절도행각(泥棒行脚)」「도피행각(逃避行)」などの表現がある。ただ、「イチャつく」ことを「愛情」と表現する「愛情行脚」だけはしっくりこない(笑)
お国変われば漢字語の使い方も変わる、というところだろうか。
漢字って面白い(^^♪
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