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日韓の漢字語の違い~前書き②

日本人にとって韓国語がいかに学びやすいか

日韓の漢字語の「違い」について紹介していきたいと言ったのは、裏返せば日本語と韓国語がいかに似ているか、つまり、日本人にとって韓国語がいかに学びやすい言語であるかを知ってもらいたいという思いがあってのこと。そこで、前書き①で書ききれなかった、簡単な例をもう1つだけ挙げておきたい。

「会社員」は韓国語で「회사원(フェ・サ・ウォン)」、これは「会社員」という漢字語をハングルで表記しただけのものだ。つまり、日本人は「会が회(フェ)」「社が사(サ)」「員が원(ウォン)」であることさえ知れば、「회사원=会社員」だということが、「企業で働く人」という意味も含めて自動的にわかる。
当たり前やん、と思うかもしれないが、これはすごいことで、全然当たり前ではない。
考えてみてほしい。あなたがアメリカ人だったら、회사원は漢字で会社員と書くということをそもそも知らないので、漢字の勉強から始めるか、あるいは漢字は諦めて、회사원はcompany employeeだ、と丸暗記するしかない。
さらに、会社員が회사원(フェ・サ・ウォン)だと覚えた日本人は、それなら「会社」は회사(フェ・サ)、順序をひっくり返した「社会」は사회(サ・フェ)、「社員」は사원(サ・ウォン)、「会員」は회원(フェ・ウォン)だろうという具合に、漢字のパズルを組み合わせるだけで1つの単語から更に4つの単語を自動的に類推することができ、この場合、それは全て合っている(いつもいつもそううまくいくわけではないが)。
これがアメリカ人だったら、회사(会社)がcompanyであることや、원(員)が人を表すことぐらいは覚えたとしても、회사(会社)をひっくり返して사회(社会)にするとsocietyという全く別の意味の単語が生まれることなど、想像すらできないし、いくら頭をひねっても理解できないはずだ。

このように、同じ漢字文化圏に生まれ育ったということは、特に日本人にとって、とてつもないメリットを与えている。本来なら韓国人(や北朝鮮の人)も同じメリットを享受するはずなのだが、日本語と同じぐらい漢字語を多用する言語でありながら、戦後、学校で教える漢字の数を激減させ、日常生活では漢字語も全てハングルで表記していることから、회사원フェサウォンを「会社員」と書ける(又は「会社員」を회사원と読める)人の数は日本に比べて圧倒的に少ない。最近では自分の名前も漢字で書けない、という人もいるらしい。韓国や北朝鮮で今も日本と同じぐらい漢字を教えていれば、彼らの日本語学習は格段に楽だったはずなのに、もったいないことだと思う。

とにかく、韓国語を学ぶ日本人は世界一ラッキーな立場にあることは間違いない。company、employee、societyと1つ1つ単語を覚えないといけない英語よりも、英検1級レベルの単語も含めて、何十倍、何百倍もの韓国語の単語をすでに「知っている」のだから。(もちろん、ハングルの読み書きができれば、の話だが。)

これを読んで1人でも韓国語を学んでみたいと思う人が出てくれればうれしいのですが。。。どうでしょうか?

興味のある方は是非、本題のほうもお読み下さい

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