インド最南端 カニャークマリ
今回はインドのお話。
日本人には殆ど知られていないカニャークマリ。これ、地名です。
インド亜大陸の最南端コモリン岬に位置するカニャークマリ。
タミル語で書くとகன்னியாகுமரி.
インド国内でも有数の聖地で、多くの巡礼者が訪れる場所。
アラビア海、インド洋、ベンガル湾がこの岬でひとつに接する場所。
辛うじて「地球の歩き方」の後ろの方に載っているこの場所。行くのは本当に大変です。
外国人観光客は殆ど見かけませんが、南インドはフランス人観光客に人気があるらしく、彼らはたまにカニャークマリにも来るようです。
ここまで行ってみようという人がいるか分かりませんが、最もポピュラーな交通手段は…
南インド有数の都市チェンナイから、プロペラ機でツチコリンまで2時間。
ちなみに、「ツチコリン」という地名は「トゥーットゥックディ」と紹介する旅行サイトもあります。どちらが正しいのかよく分かりませんが、タミル語で書くとதூத்துக்குடி.
ここは「地球の歩き方」には載っていません。
ツチコリン空港は、田舎の集会所とグラウンドといったなんとも言えない郷愁を誘う趣き。ここからチャーターしたクルマで3時間程度走ると、カニャークマリに辿り着きます。
カニャークマリには駅もあるので、鉄道でのアクセスも可能です。相当時間はかかりますが。
なぜこんな僻地に行ったのかというと、この近く…と言ってもクルマをぶっ飛ばして2時間くらいの距離ですが、ここにもヤシガラ培土(ココピート)の工場があるのです。
さて、インド最南端の聖地カニャークマリ。
日々多くの巡礼者がインド中から訪れるが、ヒンドゥー教の大聖地ヴァラーナシーのような喧騒は見られず、ゆっくりとした時が流れて落ち着いた雰囲気…と紹介されることがありますが、そんなことありません。
浅草仲見世通りレベルで人は密集しており、そこにタクシーもバイクも分け入ってくるし、私たちからすると十分な喧騒です。
でも喧しいだけではなく、海に面した場所だからか、風光明媚な雰囲気はあります。どことなく、熱海に似た雰囲気。
カニャークマリには、クマリ・アンマン寺院というヒンドゥー教のお寺があります。
ここは私たち外国人でも入ることができます。男性は寺院内に入る際、上半身裸&裸足。女性は裸足だけです。入り口側の靴預けカウンター(?)で脱いだ靴を預けますが、ちゃんと戻ってくるのか、不安になります。
そして、カニャークマリのハイライトは、海に浮かぶ巨大な石造。
古代タミルの詩人ティルヴァッルヴァルを模した石造と、隣接する建物は19世紀の宗教改革者ヴェイヴェーカーナンダの記念堂。
ここに来たら、みんな長い列に並んでチケットを買い、渡し船で記念堂のある島に渡ります。
だいぶボロくて不安な船ですが、ちゃんと渡れるし、帰っても来れます。
乗船時は救命胴衣必須。
写真撮ろうとして、海に落ちる人がいるらしいです。
記念堂の島に渡ると巡礼者のみなさんが、写真を撮ったりお祈りをしたり。
この記念堂も、記念堂周囲の展望台も聖なる場所なので、上がる前には裸足になります。
日本から行くには、かなりの時間を要するカニャークマリ。
でも、インドの最南端なんてそうそう行く機会はないですから、いつか自由な旅が解禁になったら、ぜひ渡航を検討してみてはいかがでしょう。
ここの景色は、一生の思い出に残る景色だと思います。
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