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箱根駅伝 ー タスキを渡す時の感じ良さに癒される

まあ、本当に驚きました。
年明け早々、大地震。
被害に会われた方、被災者の方々のことを思うと、
少しでもご無事を祈る以外ありません。
お茶の間のテレビで、
箱根駅伝を観戦できた身の幸運を噛み締めます。

といっても、スポーツ観戦など、普段はしないのです。
が、友人から、
「青学勝ってるよ」という連絡を受け、
どれどれ見てみるか、
という程度のスポーツ認知度です。

しかし、この若者たちのパワーから、
地震に航空機炎上と不幸続きの新年の中で、
凹みかけていた感情を、
上向きにする気をもらったのは、確かです。

こういう時は、
勝ちそうなチームのにわかファンとなり、
そのチームが勝ってくれることで、
さらに嬉しい精神的癒しをうることが得策かと。

たくさんの大学名が並んでいて、
「あ、〇〇ちゃんの大学もガンバってる」
「今、12位走ってるのはおばちゃんが出た大学だよ」
「近所の〇〇大学のタスキって、こういう色なんだね」
「こんな大学名、聞いたことないけど、強いんだ」
などなど、
スポーツ認知度の低い人たちの観戦会話は、
スポーツに真剣に取り組んでる関係者から見ると、
聞くに耐えないことだらけだと思います。

にわか応援団が感動するのは、
今回の三年生四年生が、
コロナど真ん中の、苦しい時代を経て、
まさにタスキを繋いだ点にもあります。
世界中が同時に苦しんだコロナからの復活、というイメージも、
背景に見え隠れして、
感情移入も高まります。
きっと、
スポーツだけではありません。
その学校が繋いできた文化とか、学校独自のカラーとか、
先輩後輩関係とか、が中断されて、
たとえその後復活しても、
やっぱり線が細くなった部分とかがあったのではないかと思うのです。
そういうことに負けずに繋げた人たちが走っているんだな、
って考えてしまうと、
少しうるうるします。

といっても、一番多く出る会話は、
「ね、この子かっこいいよね」
「〇〇大学の第3区もかっこよかったよ」
などと、
コーチとか関係者の人たちが、
できればそういう品定め的な発言はやめて欲しい、と思われるだろう、
ミーハー的な話で、恐縮です。
遠く離れたお茶の間の前ですから、許してほしい。

そんな無責任な観戦をしている
にわかファンですが、
青学は感じ良くて素敵だなあ、
と思ったのは、
タスキを渡すときの様子です。

エネルギーを使い果たした渡す側も、
タスキを受け取る側も、
笑顔なのはもちろん、
一言二言、何かを言って
次の走者を送り出している
その態度です。

あの時、何て言ってるのかな、
何かポジティブなマジックワードがあるのかな、
などと想像します。
他のチームの中には、
「タスキはできるだけ素早く奪い取って走り出す」
みたいな教えを受けているんじゃないだろうか、
って思わせるところもあって、ちょっと対照的。

笑顔で送り出すのは、強いチームだから、
走り終わった後も余裕があるからできること、なのかなあ。

でも、それだけじゃなくて、
青学でもう一つ目を引いたのが、
完走した走者が、必ず、誰かに抱き止められたり、
後ろからタオルで覆われたりして、
大切に扱われている感、があるところ。
走り終わった走者が、そのままアスファルトの道に倒れ込み、
レースの妨げにならないように担ぎ出される映像もいくつかあったけど、
順位に関係なく、
あんな偉業を成し遂げた人は全員、
誰かの腕に倒れ込むか、
後ろからタオルに包まれて、
大事にされるべきだと思う。
「よくやった」と言って、
大きく腕を広げて完走者を抱き止める人がいるべきだし、
「すごいよ」と言いながら、
後ろからタオルで包み込んでくれる人がいるべきだ、
と思ってしまう。
もし自分の息子が
(ありえないけど、すごい才能のある努力家で箱根駅伝に出たと仮定)
あんなに苦しい箱根のお山を走り切って、
きちんと任務を遂行した時に、
冷たいアスファルトに転がされ、
更に、邪魔な物体を除けるが如く運び去られたら、
すごーくぷんぷん怒ると思う。
その学校の悪口の一つや二つをいうかもしれない。

あ、はい、そうです。
全然、ゲームのこと分かってないし、
自分はもう、100メートルも走れないのに、
何を言うか、ですよね。

でも、こういうちょっとした感じ良さが、
新年早々酷いニュースに晒されて、
干からびてしまいそうな私たちの心の、
潤滑油となってくれるような気がするのです。

改めて、さすがです。
そして、おめでとう。

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リンゼ
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