オセロに熱狂していた
私は年長から小学校低学年頃までオセロにどハマりしていた。
誰に教えて貰ったのかは記憶にないのだが、その頃我が家に電子ゲームがほとんど無かったために、オセロというボードゲームの刺激が大変魅力的に感じたのだと思う。
父、母、姉に「オセロやろう!」と言い、毎日家族中を巻き込んでいた。ついでに近所に住んでいた祖父母も巻き込んでいた。
やがて私の「オセロやろう!」は家族に恐怖を与えるようになった。一度で終わらず、子ども特有の、何度もやりたがるからだ。
負け続けていたとしても、何度もやると練度があがってくる。
オセロは端と角をとることが大切だと知り、とにかくそこを取れるように石を置いていく。
そしてどうすれば端がとれるのか何手か読んでいた。何手か読むことは今よりも早かったに違いない。
家族の中で父に勝つことが難しく、1、2回しか勝った記憶がない。容赦なく私を叩きのめしてきた。
悔しくてどうやって勝てばいいのか全く分からず、挑んでいたが父は忙しかったのであまり相手にしてもらえなかった。
その時の私は「序盤にたくさんとらない」という定石を知らなかったのである。
今思うとあの頃のオセロに対する熱意は尋常では無かったように思える。
やがて対戦してくれる家族がいなくなると、1人で対戦していた。私はオセロに飢えていた。
そのうち電子ゲームが家で出来るようになると、成長するにつれオセロのことを忘れていった。
そんな私が、20年ほど前にオセロ狂いだったことを思い出すことがあった。
先日、通話しながら世界アソビ大全51でオンラインプレイしていた。
最後のワンゲームということで久々にオセロがやりたくなったのだ。
いざオセロが始まると、懐かしさが込み上げてきた。本当に何年ぶりだろうか。この盤面の石の配置の形なんて見たことあるよ、と。
途中私が「そこ置いてみたら?」など相手に助言をしてしまう場面があり、少し反省した。
いい勝負をしていたのだが私は残念ながら負けてしまった。それでも彼氏は私のオセロに対する熱を感じたようで、感心された。
自分にはまだオセロ力がほのかにあったのかもしれない。
今は「世界アソビ大全51」というゲームで基本1人プレイをして楽しんでいる。
CPとオセロを対戦すると、今まで経験してきた家族の打ち方と違うのでとても戸惑ったし、勝率も良く無い。
ただ端をとったからといってとても有利になるようでも無いことは分かったし、どこに自分の色を維持すべきなのかも理解してきた。
あの頃がむしゃらに楽しんでいた時とは異なる楽しみ方をしている。
オセロという原点に戻ったと思うが、それでも自分の成長を感じるし楽しめることが何より嬉しい。