夏の雨
夏に降る雨は好きじゃない。なんなら、夏が好きじゃない。
暑くて、虫がたくさんいて、食べ物がすぐダメになって。
強い日差しのなか、もう乾ききっているのに干され続けている洗濯物を見ながら、エアコンのきいた涼しい部屋でパルムを食べる。
夕方になって洗濯物を取り込むと、エアコンで冷えてしまった肌に太陽をたくさん浴びた洗濯物のあったかさが心地いい。
夏って最高!って思う瞬間って、本当にこれくらいだった。
それなのに雨が降ってしまったら!
窓を開けて雨の音を聞きながらただの煎餅食いマシーンになってしまった今年のお盆休み。25歳の夏休み。1度きりの夏の長期休み。
9日間もあったお休みは、特に何をした記憶もなく、残り1日と少しになってしまった。絶望すぎる。こんな社会人。
そう、社会人。社会人になってから自分を見失ってしまった。何が好きで、何がやりたくて、何に興味があって、ということをすべて他人主体で決めるようになってしまった。
どんどん受け身になっていた自分。何にも満足できず、「起承転結」の「起承」あたりまでいろんなことをやってみては飽きてほったらかして。
会社の同期を見ては「なんで自分は何もできないんだ」とか思って。
おしゃれインスタを見ては「なんで自分はこんなに垢ぬけてないんだ」とか思って。
大好きなアイドルの動画を見ては「小さいときにバレエとかやってたらよかったのかな」とか思って。
いろいろ考えて分析するだけして行動に移さないから変わらなくて。
なんてことをずっとやっていた。どこまでも他人主体。
自分自身を知るために、好きなことを知るためになんか書いてみようと。そんなわけがあって。
これが「転」になることを祈って。
(自分で「転」にするんだよ)