「ヴェノナ」~解読されたソ連の暗号とスパイ活動~
ソ連のスパイ活動をあきらかにしたヴェノナ作戦。その調査結果には日米大戦を引き起こした犯人が記されていた。
はじめに
学校の教科書には大きな問題がある。それは日米大戦が勃発した背景がわからないことだ。ところがアメリカ政府が公開したヴェノナ文書には、ソ連のスパイが日米大戦を誘発した痕跡が記されている。
ヴェノナ文書とは
▼ヴェノナ作戦
戦時中のアメリカにたいする、ソ連のスパイ活動を解明する試みがヴェノナ作戦。特に重要とされたのがソ連の暗号解読であり、その成果こそがヴェノナ文書。
この作戦は1930~40年代に行われたソ連のスパイ活動が対象で、その調査結果をアメリカ政府が1990年代になって公開した。
▼なにが記されているのか
ヴェノナ文書が明らかにしたのは、アメリカ政府の上層部や軍事研究者にまでソ連のスパイが浸透していたことだ。具体的にはルーズベルト大統領の補佐や原爆の主要研究者など、アメリカにとって重大な情報を扱う人物がスパイだったのだ。
▼ソ連のスパイ活動の成果
ソ連はアメリカの軍事機密を盗み出すことで、最新の戦闘機と原爆という強力な武器を生産できるようになった。またソ連にとって厄介な日本をアメリカと戦わせ両国を疲弊させることに成功。それによりソ連は中国をはじめとする広大な範囲を手中に収めた。
日米大戦の謎
冒頭にも書いたように日本の教科書には日米大戦の背景が説明されていない。そもそも日本とアメリカは戦争をするメリットがなかった。それにもかかわらず、ルーズベルト大統領は日本に執拗な嫌がらせをして戦争に巻き込んだ。これらの不可解な言動も、ソ連の巧妙な謀略だったことがヴェノナ文書により証明された。
まとめ
▼要約
アメリカ政府は、ソ連のスパイ活動の解明を目的にしたヴェノナ作戦をおこなった。それにより戦時中のアメリカ政府には多数のスパイが潜入しており、上層部や軍事開発に携わる人物もソ連のスパイだったことが判明。またそれらのスパイが日米大戦を誘発させた可能性が極めて高くなった。
▼陰謀論こそ陰謀
「ルーズベルト大統領が日米大戦を引き起こした犯人である」と指摘した研究者がいた。ところがこれらの指摘は陰謀論扱いされ信憑性が疑われてきた。ところがヴェノナ文書により、それらが事実であると証明。これらを踏まえると陰謀論で片づけることこそ陰謀なのかもしれない。