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【読書記録】魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養
彼女と熱海に行くことになったので、新鮮でおいしい魚をより楽しめるように魚の本を読んだ。
このシリーズは以前【肉ビジネス】を読んで面白かったので、ワクワクしながらAmazonでポチりました。
ざっくりどんな内容か
寿司文化について、魚の獲り方、漁業法の改正について、養殖について、凍結や締め方などの鮮度保持、加工品、魚の流通、小売、魚のおいしい飲食店の選び方、培養魚肉などの新しい技術…と魚について色々なことが書かれているのだけど、書かれている内容をざっくり二つに分けられる。
少量多品種から生まれた日本の魚文化と
大量少品種に向いたマス流通や養殖などの技術や制度の二つだ。
大量少品種に偏り過ぎるといろいろな魚が日替わりで食べられる環境や小規模の漁業者さんが消えてしまう危険性があるらしい。
少量多品種と大量少品種、大きい魚業者と中小漁業者。
この二つがうまく共存していけたらいいよね、というまとめになっている。
日本の漁業者さんは地域によって、朝方から大きな船で大勢で網漁をするのが中心なところと、夜に小さな船で一本釣りや延縄などの獲り方をする業者さんの多いところとあり、その違いにより水産資源を管理する方法もそれぞれ適した方法があるということも初めて知った。
お肉との違い
お肉は人が管理して育て出荷するのが当たり前で、野生のものは一部のジビエで特殊なもの。
お魚は養殖もたくさんあるけど、サンマなど天然しか出回っていないもの、ウナギみたいに99%は養殖のものと様々だし、お肉や他の食品よりも画一的な安定供給が難しいものなんだなと。
言われてみたら当たり前かもしれないけど、この性質の違いにハッとさせられた。
その日漁で何がどれくらい獲れるか獲ってみるまでハッキリ分からない“ガチャ”であり、どんなに良い魚でもたくさん獲れてしまえば売値が安くなってしまう難しさがいかにも“ナマモノ“という感じ。
養殖のブランド魚が面白い
ほかに面白いなと思ったのは養殖のブランド魚。
みかんの皮を混ぜた餌を与えて育てたみかんブリなど色々あるらしいが特に気になったのは“チョコブリ“というもの。
みかんはまだ分かる気がする。
ラーメンのひとつの丼の上にゆずの皮と魚粉が共存しているのとかよく見かけるし、違和感無がない。
でも、魚にチョコは面白い取り合わせ。
考えた人はチョコが好きなのかな。
まあ厳密にはチョコというかカカオポリフェノールを混ぜた餌だとか。
ポリフェノールの効果で高鮮度が長続きするらしい。
余談
なぜだかスーパーの菓子コーナーでよく見かける乳酸菌を練り込んだチョコを思い出した。
肉の本と魚の本を読んでから生前与えられていた飼料に目が向くようになった。
このnoteを書いている今、とんかつ屋さんにいるのだが茶美豚の表記が気になった。
カテキンを混ぜた餌を与えた豚さんのことらしいが、今までとんかつ屋さんに来ても黒豚とヒレかロースかくらいしか気にしたことがなかったので、読書によって見えるものが広がることが楽しい。
私が食用の生き物だとして、何か変わった飼料を与えられるなら何がいいか考えてみた。
健康のことを考えるなら乳酸菌かな。
カテキンも強そうで良い。
風邪をひかなくなりそうなイメージ。
ポリフェノールも捨てがたい。
何がいいだろう。
ちなみに彼女はその日の気分で変えてほしいと言っていた。