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【🍋ノスタルジーシリーズ#32】スーパーマリオ全クリの話withタケシ。

なぜか、小学校1〜2年で隣の席になる率が高かったタケシ↓記事参照
(私のちびまる子消しゴムの頭を削ったアイツである。)

そのタケシとは、色々な話をした。
というか基本、金持ちタケシの自慢話を聞かされるという感じだったが。

ある日、スーパーマリオの話になった。
スーパーマリオを一日で俺はクリアしたぜ!とタケシが自慢してきたのだ。

私の家はファミコンこそあったものの、新しいもの好きな父が買ってきただけで、父がビリヤードや麻雀のゲームをするだけの機械であった。

私たちが出来るのは正月のみ。(それも、家族でビリヤード)
↑ビリヤードとか全然好きじゃないので、苦痛でしかなかった

正月の一日だけプレイしたことのあるスーパーマリオだが、1-1をクリアしてそれで終わりだと思っていた。
というか、ゲーム偏差値が相当低い私は1-1をクリアするにも数時間を要したのだ。

フー、なんて難しいゲームなんだ、、
(どんな思考だったのか分からないが、本当に1-1で終わりだと思っていた)
たった1-1をクリアするだけで片頭痛になった。
そしてこのうえない達成感があった。
はー全クリってめっちゃ難しかった!

私はタケシが1日でクリアしたという自慢を、なんで普段ゲームしてるやつが1日もかかるんだ?と不思議でならなかった。
なので私は『それ3時間でクリアしたよ私』と言った。
1-1をな。

何もかも丸いタケシの目がさらに丸くなり、
『え!は?おまえ3時間でクリアしたの?』

私『そうだよ。3時間だよ』
1-1をな!

タケシが訝しげに尋ねた。
『え?絶対うそだろ?ゲッソー出てきた?ジュゲムは?クッパも倒したの?』

は?ゲッソー?ジュゲム?クッパ?誰だそれは。
よく分からんから、途中で出てきたキャラがそういう名前なのだろうと思った。
(注:実際はクリボーやノコノコであった)

『うん、出てきたね。倒したよ。簡単だった』
嘘つくな。

タケシがびっくりして
『お前すげ〜じゃん!勇者じゃん!つえ〜!』
と称えてくれた。

いや本当ごめんな、、タケシ、、
それ、、、1-1や、、、、
1-2以降もあることを知ったのは高学年、転校したあとであった、、、

以降も、新しいマリオのソフトが出るたびに
『おまえもうクリアした?』と目を輝かせて聞いてきたが、残念ながらうちには初期のスーパーマリオブラザーズしかなかった。

他にも、タケシの思い出がある。

当時住んでいた地域ではかなり古くからのお祭りがあり、大きい祭りのため市内全体が浮き立つ。
もうすぐお祭りとなると男子たちはソワソワして授業どころではない、みんな命かけてるんかい?ってぐらい大きい祭りであった。

ちなみにその祭りは本当に規模が大きく、まず市内中心部は歩行者天国。
市内の小学校はすべて休みになった。
さらにお祭り明けには祭りについての作文を書かされるほどの力の入れよう。

私もそのなかの1人で、お囃子の音が聞こえると血が騒ぎ内心授業どころではなかった。
男子は太鼓を叩く人も多く、毎日練習していた。
私は太鼓は叩かず後ろで町内を盛り上げる役だったのだが、どうしても体がうずいて太鼓を叩く真似をしたりしてしまう。

二年生の時の担任の倉田先生は、とっっっても怖い女の人であった。
私は大丈夫だったのだが、数人目をつけられている人がいた。

ゆっきーという友達は宿題のノートに妹が落書きをしてしまったようで、それは実際どう見てもゆっきーが描いたというより妹が描いた、という感じだったのだが、先生にめちゃくちゃ怒鳴られて怒られていた。
『これは妹が描いちゃったんです、、ボールペンで、、消えなくて、、』
涙ながらに話すゆっきーに、
『嘘つくんじゃない‼️嘘つきは泥棒の始まりなんだよ‼️お前は将来泥棒になるよ‼️』
と教卓をバンバン叩いて怒鳴りつけていた。
とても可哀想だった。

このように、めちゃくちゃ理不尽な教師が昭和にはたくさんいた。

目をつけられていたなかの1人にタケシもいた。
パンチするぞ、とか言ってるから目をつけられたのだ。

祭りが近づいたある日の授業中、私は油断していた。
無意識に机の中で指で太鼓を叩いていたのだ。
すぐさま先生が振り向き、誰だよ‼️今祭りの太鼓叩いたやつ‼️出てこい‼️と言う。

ちなみに、その時点で無意識だった私は自分が叩いたとは思っていなかった。
他の人と同じようにキョロキョロして誰だ?と不思議な顔をしていた。はず。
いや、アンタだよアンタ。

そこで隣の席のタケシに先生からのチョークが飛んできた。
『黙ってんじゃないよ‼️おまえだろ太鼓叩いたの‼️』

、、、え?タケシ?
(いやおまえな)

叩いてないタケシは
『え?おれ?、、え?、、なんで?』と目をまんまるくして言っていた。

それもそのはずだ。叩いていたのは他でもない、隣の席の私なのだから。
ちなみにこの時点でもまだ自分だと気づいていなかった。
タチが悪すぎる、、、。

そのままタケシは怒られ、怒鳴られ、立たされた。
可哀想だった。

夜になって宿題をしている時に、無意識にまた太鼓を叩いていた。
そこでハッとした。
わ、私だったかもしれない、、、

ということに。
夜になるまで気づかない私も私だ。

タケシ、、、本当ごめんな、、、
全ては私の色んな意識や知識や配慮やとにかく何もかもが足りなかったせいでタケシには随分と迷惑をかけた。

マリオ全クリの件も、、(分かってないため、嘘)
太鼓の件も、、、(無意識だったため、濡れ衣)

そしてまる子の消しゴムの件も、、(配慮が足りなかったため、周りから責められる)

私の転校以降タケシがどうなったか知る術はない。
元気で過ごしてくれていたら、と切に願う。

しかし、私が創立記念日で休みだった中学生のある日、ジャスコのゲームセンターにタケシが1人でいるのをみかけた。
1人でゲームをしていた。なぜに。学校は?

気になって、おなじみすずに手紙で聞いてみた。
注)すずはこちらを参照↓


手紙の返事によると、彼は中学に入ってから不登校になってしまったらしい。
何が原因か詳細には分からないが、どうやら同級生からのイジメらしい、との話であった。

私はタケシが自慢男ですぐパンチするぞ野郎であっても、なんだかんだ彼をいい友達としてみていたので、なんとなくショックであった。

勇者と称えてくれたあの日を忘れない。
いつかタケシが勇者のようにまた立ち上がれる日をひっそりと祈った、中学のある日であった。

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