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わたしの暮らしを愛でる#12|摂食障害体験記|1997年2月のこと③
①はこちらから
一夜、明け。
いつもより早く目が覚めた。
お腹が空いて、目が覚めてしまったのだ。
昨夜、やっとの思いでダイニングから移動し、
両親の部屋でまた別の食べ物を食べ
自室には行かずにそのまま寝てしまったので、
いつもの寝起きの景色とは違い、両親が寝ているのが見えた。
わたしは、何かすぐ食べられるものはないか、探した。
リカバリするつもりだったのに、
なぜこんなことをしてしまうのかわからなかった。
父が寝ている傍にかりんとうの大容量缶を見つけ、
パクパクと食べ始めた。
すぐに空き缶になった。
登校準備ができない
その後の詳しい行動や心情については記憶がおぼろげで
断片的にしか覚えていない。
ただ、片時も口にものを入れていないことに耐えられず、
トイレにまでお菓子を持って行くほどだったことは覚えている。
そんな状況だったので、
着替えたり、鞄を準備したりといった登校準備ができなかった。
別に、学校へ行きたくなかったわけではなく、
物理的に準備ができなかったのだった。
母が学校へ電話をかけていた。
「腹痛のため休ませます」と。
それも、本当のことだ。
腹痛とはいえ、自分が食べ過ぎたことでこうなっているのであって、
それで学校を休むことに対して怒られもせず、
むしろ簡単に許されていることに違和感を抱きつつも、
その許された感覚が少し心地よくもあった。
体重計に乗ってみると、昨日より1kgほど増えていた。
(当時は細かい単位でみていたが、正確にはもう覚えていない)
この1kgはほぼ脂肪。
早く、減らさなきゃ。