リリも機内でご一緒、12時間半のロングフライト
いよいよ、搭乗まで2時間。
出国ゲートのセキュリティチェックが、出国前のあたちの最後の山。機内持ち込みの手荷物は全てX線を通す必要があるから、あたちのキャリアーも例のベルトコンベアに乗せられる必要があるの。で、人間がアクセサリーを外すように、あたちのハーネスやチャームも外して裸一貫!
はやくはやくってせっかちな人が多くて、ガッタンゴットンと荷物の大きな音も止まないあのエリアは、あたち苦手。せっかちな人の代表格はおねえちゃんで、バッグから取り出す予定の電子ディバイスも液体物も、バッタバッタと大きな音を立てながらすごい速さで取り出すものだから、こっちはガタブルよ。尻尾は足の間に挟んで、間違っても動くベルトに乗ってあの大きな箱に入らないように、祈って・・・早く早く抱っこせいっ!てなっちゃうのよね。嫌だわぁ。
抱っこされたあたちは、おねえちゃんにと一緒にボディスキャン。ウィーンっいう音が鳴ると無事終了。きっと今朝食べたごはんまでも綺麗に映ってたと思う。セキュリティチェックを通り過ぎると、ふぅ。ひと安心よ。ちなみに、当たり前だけど、お水は持ち込めないからね。
あとはおねえちゃんが出国ゲートを通って、搭乗までの間、Duty Free Shopping街をフラフラ。コロナも明けて、成田空港は鮨詰め。いろんな国の人のいろんな匂いがして、興味深かったなあ。
いざ、テイクオフ!
搭乗の時からスイスエアーのCAさんたちはあたちに甘かったのよね。あたちのことかわいい、かわいいってキャリーから覗き込んでくれて。あたち、これから何が起きるかも分からず上機嫌。担当のブライアンは「僕も犬が大好きだから長いフライトの間心地よく過ごしてね。他のCAがなんていうか分からないけど、別にルールに縛られないで」って。
そして、いざ離陸の時!あたちは、キャリーのカバーをしっかりしめられて、足元の荷物スペースへ。下からおねえちゃんの顔が見えるのは嬉しいけど、ちょっと遠いな・・・できればひっついて抱っこされたいんだな・・・
そんなことを思っているうちに、今までに体験したことのないすごい音と振動と揺れが一気にやってきた。そして、ぐぐぐっと体にGがかかって前のめってくる。わあああああああああああ!内臓がひっくり返されるような、未体験ゾーン。これは一体なに?うぉおおおおおおおおお!この危機的な状況。どうするどうする、どうする?
さっきからおねえちゃんをずっと見上げているのに、おねえちゃんは爆睡している。飛行機が飛び立つ時は眠くなると言って寝落ちて、こっくりこっくりやっている。頭も体も混乱している。
しばらくすると、バッグの前に押し付けられる感覚は通り過ぎ、うるさい音だけになった。それから、食べものの匂いと共に起き上がってくるから、本当に図々しい。自分の食欲の前に、あたちのことを心配してほしい。空気読む犬だから、声には出さなかったけど、本当にこの離陸体験にはびっくりしたんだよ。
そこからしばらくして、食べものの匂いがしてくる。クンクン、クンクン。おねえちゃんがごはんを食べていると、時たまおねえちゃんがもそもそとバッグにパンの切れ端やらお肉やらをくれるから、いつも食べれないおいしいものつまめたよ。少なっかった朝ごはんの足しになったから、まぁおねえちゃんを許したろう。あ、おやつも隠し持ってたみたいで、それもくれたよ。あたちにとって離陸は不快でチキハートがさらに縮む思いだったけど、空の上で食べるおやつは最高の味ね。
4時間ごとのトライ
おねえちゃんが自分の食欲を満たした後にあたちを連れて行ったのは、小さな箱スペース、人間のお手洗い。そこであたちのおむつをはずして、ペットシートを敷いておトイレを促すのよ。
「こんな空の上で揺れている中で、10cm先で人が歩くのが聞こえる中で、落ち着いてできる犬がいるか!」第六感どころじゃなくて第五感も壊れ気味の現代人よ、こんな場所であたちの生理現象を命令するなんて、本当に信じがたい。おてんばだったとしても、体も心もデリケートなリリなの!」と声を大にして言いたい。
12時間半のフライト中、せっせとおねえちゃんはあたちをトイレに運ぶトイレ・アテンプトは3-4回ほど繰り返されたけど、一滴も滴らせなかったわよ。おむつにもよ!えへんっ。
ちゃんと我慢してたの。でも、緊張の糸が切れた話は次に取っておくわね。
[参考情報]ペットを機内持ち込み可能なエアライン
日本だと機内に乗せてペットと旅行するってまだまだマイナーだけど、欧米系航空会社だと多くのエアラインがOKなの。日系だとスターフライヤーの羽田ー九州路線、しかも犬だけで5万円(片道)と高額。一方、今回の成田ーチューリッヒ(往復)で犬の飛行機代は€140(23,000円 ※2023年夏時点)。
ヨーロッパ系エアライン
Lufthansa, Swiss Air, Austrian airlines
Air France
KLM
ITA Airways(旧アリタリア)
Fin Air, Scandinavian Air
LCCでないナショナルフラッグ系はペットの持ち込みが可能。ただし、事前予約はマストで、キャリーとペットの総合計重量が8kg以下や犬種の規制といった詳細の規則がある。ただし!UKだけはペットポリシーが厳しいので、介助犬登録になっていたとしても色々な規則があるので注意。
アメリカ系エアライン
Delta Air
American Airlines
United Airlines
Air Canada
米系エアラインの多くはペットの重さの規定はないものの、キャリーのサイズに規定を設けていて、ビジネスやファーストクラスでは機内持ち込みできないとなっていることが多い。ただし、アメリカでは介助犬も多くいるので、介助犬認定されていればペットの種類は不問。大型犬だけじゃなく、イグアナや山羊の搭乗の目撃情報もあるらしい笑。見かけたら、ぜひ仲良くしたいものである。