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「どうしてわたしはあの子じゃないの」
“どうしてわたしはあの子じゃないの”
育った環境、生まれ持つ綺麗な顔立ち、磨かれていくセンス、わたしにはない能力…
みんなが自らの輝きを磨き続けてそれぞれの結果を出していく中、センスも能力も頑張り続ける力もないわたしはただただ置いていかれるような気分になった。
「あの子はいいな」
努力の結果を能力の差だと決めつけ、何一つ自信を持って頑張ったと言えることがないのに人の結果だけを羨むようになった。
あなたは、そのままでいい
先日、素敵な本を見つけました。
それは寺地はるなさんの
「どうしてわたしはあの子じゃないの」
という本。
天とミナという二人の少女、そして藤生という一人の少年の三人のお話。あらすじはこんな感じです。
閉塞的な村から逃げだし、身寄りのない街で一人小説を書き続ける三島天は、ある日中学時代の友人のミナから連絡をもらう。
中学の頃に書いた、大人になったお互いに向けての「手紙」を見つけたから、30才になった今開封しようというのだ――。
他人との間で揺れる心と、誰しもの人生に宿るきらめきを描く、感動の成長物語。
相手の本当の心情なんて分かるはずがないのに、一緒に過ごしてきた年数が自信となって育ってきた環境や普段の佇まいから相手の気持ちを勝手に決めつける。あたかもそれが本当のことかのように。
人間誰しも、相手を100%理解することなんてできない。どれだけ仲のいい関係でも所詮知った気になっているだけだし、本人ですら自分の気持ちを理解できていないことだってある。
なのに人は“自分ではない誰か”になりたがる。
自分が持っているかけがえのない魅力に気付かずに。
小さな嫉妬やプライド。
仲がいいからこそ話したくない、話せない。
仲良くしていたいからこそ知らないふりをする。
自分にはないものを持っている人を見ては自分より輝いているように見え、自分が惨めに思えてくる。
結局自分の魅力など、自分では分からないもの。
人間がみんな弱くてずるい生きものだと神さまはきっと知っている。
「でも見とらすだけ。」
心がスッと軽くなるような、あたたかい話☕️
後から分かってくる登場人物の心情もあったりするので、要再読です☺︎
章ごとに変わる登場人物の視点。
ひとつの視点からだと曖昧でぼやけて見えていたものが、いろんな視点から見えることではっきりとしてくる。そんな感じが読んでいて楽しかったです
表紙から内容まで、とても素敵な本です。
気になった方はぜひ読んでみてください📚
最後まで読んでくださりありがとうございました☺️
ではまた🌈