【海外ドラマ】『クイーン・シャーロット -ブリジャートン家外伝-』が素晴らしい8の理由。
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『ブリジャートン家』シーズン3パート2が楽しみで仕方ない、黒木りりあです。
『ブリジャートン家』シーズン3パート2の配信に向けて、プロモーション活動が活発になっていますね。主演のニコラ・コグランとルーク・ニュートンによる世界ツアーも順調で、微笑ましく情報を見ている反面、羨ましくもあります。今週予定されている前夜祭も、日本時間だとすごく見づらいですしね……。
なんて愚痴はほどほどに、新作の配信を待ちつつ、過去作も振り返っていきたいと思います。今回お話したいのが、『クイーン・シャーロット -ブリジャートン家外伝-』です。シーズン3ではレディ・ホイッスルダウンとの対決が佳境に入ってきたシャーロット王女ですが、彼女の若かりし頃に迫る、オリジナル作品が『クイーン・シャーロット -ブリジャートン家外伝-』。この作品もやはり、素晴らしいんですよね。
では、いったいどこがそんなに素晴らしいのか、また自由に語っていきたいと思います。お時間のある方、お付き合いいただけますと嬉しいです。
『ブリジャートン家』とは?
『ブリジャートン家』("Bridgerton")は、2020年12月25日からNetflixで配信が開始した、ドラマシリーズです。配信開始から28日以内に8200万世帯が視聴したとされており、史上最も視聴されたNetflixオリジナルシリーズとなりました。ジュリア・クインによるベストセラー小説シリーズ「ブリジャートン」シリーズを原作としています。
作品の舞台は19世紀初頭のロンドンで、名門貴族ブリジャートン家の8人きょうだいが1作ごとにそれぞれ主人公となり物語が展開していきます。また、このシリーズは、各物語がロマンスの8つの王道の展開に沿っており、それがシリーズの魅力の一つにもなっています。
そんな『ブリジャートン家』のスピンオフ作品が、『クイーン・シャーロット -ブリジャートン家外伝-』です。主人公はタイトルの通り、『ブリジャートン家』本編でも活躍しているシャーロット王妃です。本作では、主に彼女の若かりし日に焦点が当てられています。
本編シーズン2直後の1817年、孫のシャーロット王女が亡くなり、シャーロット王妃は自身とジョージ3世の出会った頃である1761年に思いを馳せます。ジョージ3世との政略結婚のため、ドイツの小国メクレンブルク公国からイングランドにやって来たシャーロット。夫婦のあり方、国王と王妃の在り方、そして精神病とどう向き合っていくかを二人で手に手を取り合って模索します。
では、『ブリジャートン家』シーズン3パート1はどのような点で多くの視聴者から支持されているのでしょうか?
個人的に感じた理由を8つ、挙げていきたいと思います。
1. 魅力的なヒロイン
本作の主人公は本編でも核となる存在のシャーロット王妃です。本編同様、1817年パートではゴルダ・ロシューベルが演じ、1761年パートではインディア・リア・アマルティフィオが王妃を演じます。
右も左も分からない状態で政略結婚のため渡英してきたシャーロットが、どのようにしてこの国の王妃としての振舞を身につけ、権力を得ていったのか、そしてジョージ3世との信頼関係や愛情はどう育っていったのかが、本作では明かされます。本編シーズン2では、エドウィナが二人について語る場面が登場しています。本作を観てからもう一度あの場面を見返すと、胸がギュッと締め付けられます。
なぜ王妃は社交界のうわさ話を気にかけているのか、なぜ王妃は魅力的な男女を引き合わせようとするのか、その理由が明かされていき、非常に引き込まれる内容になっています。
2. 魅力的なヒーロー
本作でシャーロット王妃の相手となるのが、ジョージ3世です。基本的には1761年パートに登場し、コリー・ミルクリーストが若き日のジョージ3世を演じています。
イギリスの国王として最長の在位を誇るジョージ3世は、非常に複雑な人物で、書き手によって描かれ方が全く異なります。本作におけるジョージは、博識で科学や農業、天文学への関心が高く、研究熱心でロマンチストな部分もある、優しくも意志の強い男性です。その反面、妄想や錯乱、幻覚症状に悩まされており、彼自身を保とうと懸命に努力している姿も描かれています。
彼がどのような愛を王妃に捧げてきたのか、王妃の心の支えになって来たのかが本作ではよくわかります。
3. カップルのケミストリー
本編同様、番外編である本作でもロマンスの王道プロットが使われています。それが、「政略結婚」("Forced Marriage")です。歴史に残る実在の人物であると同時に、本編にもすでに登場している人物の若い頃、しかもケミストリーが必要、となかなか難しいカップルかなと思っていたのですが、驚くほどにキャラクターにぴったりでケミストリーのある二人が選ばれたと思います。
シャーロット王妃については、黒人を含む複数の血筋を引いていたのではないか、という歴史的推測の元キャスティングされていたにもかかわらず、「白人の王妃を非白人にやらせるのは間違っている、行き過ぎたポリこれだ」というような批判もあり、「白人の国王と非白人の王妃というカップルは正しくない」などという人もいました。けれども、そのような声すらもこの作品、キャスティングの正当性を示すことになる作り方は、素晴らしいのひところにつきます。
4. もう1組のカップル
本作で注目を集めたカップルは王妃と国王だけではありません。本編でいつも王妃の隣にいる、ヒュー・サックス演じるブリムズリー。そんな彼の若かりし日々をサム・クレメットが演じており、彼のロマンスが本作で描かれています。
ブリムズリーのパートナーが、フレディ・デニス演じるレイノルズです。レイノルズは国王の側近です。当時、男性同士の同性愛は現代ほど寛容に受け入れられてはおらず、また職場恋愛かつ二人とも仕える人物が異なる立場ということもあり、まさに「禁断の愛」といった形で描かれています。渡英したばかりの王妃を支えるブリムズリーと、大きすぎる問題を抱えた国王を支えるレイノルズがお互いを支え、愛し合うさまもまた、大きな注目です。二人がその後どうなったのかも気になってしまいました。
5. ダンベリー夫人の秘密
『ブリジャートン家』本編でも圧倒的な存在感を示しているアッジョア・アンドー演じるダンベリー夫人。彼女の若かりし日々も本作では描かれています。若きダンベリー夫人を演じるのは、アーセマ・トーマス。
彼女は一体どうやって王妃との絆を深めていったのか、彼女はどのような経緯で社交界の地位を築いて来たのかが、本作で明らかになります。彼女の若い時からの聡明さや肝の座りかたは、みていてとてもスカッとするものでした。
そんな彼女が長年抱えていた秘密も、本作で明かされます。ダンベリー夫人を見る目が変わるかもしれませんね。
6. 残された者の悲しみ
『ブリジャートン家』の良い点として、母親世代や引退した世代の女性たちの人生も描かれている点もよく挙げられます。『クイーン・シャーロット -ブリジャートン家外伝-』では、年上女性たちの物語がより詳しく語られています。特に、夫に先立たれた女性たちの悲しみと、その後の人生の歩み方が描かれています。
中でも、ブリジャートン一家の母であるヴァイオレットの抱える残された者としての悲しみと、もどかしさの悩みには共感する人も少なくないのではないでしょうか。シーズン3の伏線にもなっているので、本作をチェックしておけば、本編もより楽しめるようになります。
なお、1817年のヴァイオレットは本編同様コニー・ジェンキンス・グレイグが演じていますが、1761年パートでは、ルース・ジェメルが結婚前のヴァイオレット・レッジャーだったヴァイオレットを演じています。
7. 史実は語る
『クイーン・シャーロット -ブリジャートン家外伝-』は、史実をベースとした作品ですが、史実とは異なる部分もあります。けれども、驚いてしまうのは、あの時代、しかも政略結婚には珍しく、ジョージ3世は側室を持たなかったこと、王妃と国王の間には15人もの子女が誕生していた、という部分は史実通りということです。
非常に結婚生活が良好で、円満だったという2人のロマンスは、歴史にはっきりと刻まれています。ジョージ3世は希代の暴君のように描かれることも、うつけのように描かれることも、頼りない存在のように描かれることもありますが、本作のような角度で描かれることはあまり多くないので、このような史実があったとは知らず、非常に興味深いと思いました。
8. 切なくも壮大なロマンス
本作は全6話と少し短めではありますが、王妃と国王の壮大なロマンスを存分に味わうことができます。愛し合っているからこそ、長年を共に過ごしたからこそ、絆が強いからこそ、相手を失っていく切なさは、1761年と1817年の二つのパートで描かれているからこそ、そして『ブリジャートン家』本編で描かれた物語があるからこそ胸に響くものがあると思います。
この切なくも美しく力強いロマンスは、この作品だからこその一編ではないでしょうか。
さて、ここまでは『クイーン・シャーロット -ブリジャートン家外伝-』について、自由気ままに語ってまいりました。
『ブリジャートン家』シーズン3パート2は、日本時間2024年6月13日16時からNetflixにて配信開始となります。ワクワクと期待を胸に、後半も是非、共に楽しみましょう!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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