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#11 辞めると決めた自分を責めるのではなく、今まで頑張った自分を褒めることができたなら。
#退職エントリ というハッシュタグを見つけたので
今回は「やめる」ということについて思ったことを書きたいと思います。
大人になってもよく聞く言葉
「最低でも3年は続けなさい」
日本の学校現場で生徒が部活や学校を辞めたいという時によくかける言葉
「やめるのはもったいない」
「根性がない」
「もっと頑張ってみたら」
どこか社会全体が
「やめる=逃げる」
となってしまっている気がして息苦しさを覚えたりします。
この続けることを美徳にするのは、日本ならではな気もします。
職人技や長きにわたる修行、我慢と言うのが良いものとされているのも事実。(もちろんそのおかげで美しい伝統工芸が生まれるので、職人文化は日本が誇るべき文化だと思います)
けれど、それらを一般の人にもあてはめて
「やめる」ということは完全に悪にしてしまってよいのだろうか。
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私は実は3回も仕事を辞めています。
1回目は新卒で入った発達障害児向けの学習塾を運営している会社。
2回目は教員免許を習得する期間働いていた塾。
3回目は最近まで勤務していた学校。
それぞれに違った退職のストーリーがあり、辞めたときは様々な感情が込み上げてきました。
初めて社会人になって入った会社は、不満があったわけではありませんでしたが、生徒のさまざまな特性にまだ私が対応しきれない中で、日々の忙しさにメンタルを崩してしまいました。毎日胃腸炎になっては、会社に行く前に動悸がしてしまい、涙が出てしまう、という状況でした。
また、どこか心の中で、学校の英語の教師になりたいというあきら諦めきれない思いもあり、目の前の業務に集中することができませんでした。そのため、辞めることにしたのですが、1年という短い期間だっため、うしろめたさもありました。
2つ目の塾は、私が教師になろうと決めてから教員免許を取る間の期間だけ働こうと思っていた塾。けれど、日々業務を行う中で、やりがいや楽しさも感じ、このまま学校ではなく、塾で働いてもいいのかも、と辞める時に悩みました。
そして3つ目は学校。念願の教師になり、興味があった国際バカロレアのコースも担当できることになったため、やっと自分がしたかったことができる、という充実感がありました。
また、生徒や先生たちに運良く恵まれ、大変な日々の中にもやりがいがありました。しかし、夫の突然の転勤でシンガポールに行くことになり、1人日本に残って仕事をするか悩みました。
結局しばらく日本にいたのですが、年齢的にも子供もほしいし、夫を支えたいと思ったため、仕事を辞めることにしました。しかし、生徒の顔を思い出すと胸が苦しくなりました。
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「仕事を辞める」といっても様々な事情があると思います。
ただ、3回とも共通していたのは、辞めるとき、前向きな気持ちもあるときもあれば、必ず罪悪感と不安でいっぱいになりました。
世間や周りを気にすると、自分の気持ちも分からなくなってしまいます。
とくに罪悪感に関しては、やめた自分を責めていました。
もっとできることはあったかもしれないのに、やめたのは結局自分のためで逃げではないか。私がいまここでやめて他人に迷惑をかけているのではないか。本当にやめた事が正しかったのだろうか。など負の感情がぐるぐる回っていました。
しかし、そんなある時、ある人にこう言われました。
「今までよく頑張ったよ。自分を責めすぎず、その頑張りを褒めてあげて前を見ればいい」
と。その言葉にぐるぐるしていた心が少し軽くなったのを覚えています。
私は出来る限り頑張った。
それは自分が一番分かっている。
せめて自分だけでも自分を褒めてあげよう
と思ったのでした。
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世間から見れば長続きしない=根性なしかもしれませんし、物事を続けることは素晴らしいことで、続けた人にしか見えない景色もあると思います。
けれど、やめることを全否定するのではなく、今まで頑張ってきたことに目を向けて、次へのステップアップだと考えることができたなら、経験したことすべては無駄にはならない気がしています。今ではすべての職場で経験したこと、大きく育ててくれた周りの人に対して感謝の気持ちでいっぱいです。
投げやりにやーめた!と言うのは、もう少し頑張る必要がある時かもしれませんが、もしそれまでできる限り頑張っていた、やめるのも悩んで出した結論なのであれば、やめることは一概に悪いことではない気がします。
悩むこともふくめてよく頑張ったね、きっとまた次のステージで輝けるよ、と自分にも他人にも声をかけたいです。
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☆簡単プロフィール☆
千葉県出身。幼少期、小4〜高校卒業まで海外で過ごす。国はラオス、ニュージーランド、ネパール、アメリカの計10年。日本に帰国後、教師という仕事に興味はあったが、教員免許は取らずに大学を卒業。その後、発達障害児サポートのベンチャー企業に就職。やっぱり教師という夢を捨てきれず、1年で退職。その後、塾で働きながら通信大学で教員免許を習得(中高英語)国際バカロレアに興味を持ち私立中高一貫校の英語教員兼MYPコースの担任&教科担当に。現在は夫の転勤でシンガポールに在住。TESOL修士課程を取りながら英語×探究のメソッドを深めるべく海外でできることを模索中。