「生きてるだけでいい」

去年あたりから、朝、目を覚ますのが怖くなった。

目を覚まして朝が来たんだとわかった瞬間、「嫌だ、消えたい」と思う。
生きることから逃げたい。

一日が始まったという事実から目をそらしたい。一日が始まったことなんか知らないままずっと眠っていたい。

ずっと夜だったらいいのにと思う。夜は私を守ってくれるから。朝が来てほしくないと思いながら夜、布団に入る。

しかし朝はやってくる。何度でも何度でも無慈悲だとさえ思うほど毎日やってくる。そしてその度に私は絶望する。

一日が始まったと同時に、生きることへの重圧で腹の底から不快感がこみあげてくる。こんなにめちゃくちゃな私の人生、これからどうやって生きていけと言うんだろう。

けれどどこかで生きたいと思っている自分もいる。だから、このまま自分の人生が終わったらどうしようという底の知れない恐怖もわきあがってくる。

惨めになる。太陽はこんなにまぶしいのに、私はこんなありさまで。お金も夢もない。生きることに行き詰まって、生きることに疲れて、生きることをあきらめそうで、毎日ただ存在しているだけで。

朝日がまぶしければまぶしいほど、嫌気がさしてくる。起き上がることもできず、ただ横になっているのがやっとな自分のことを責められているような気がするから。

けれど、それでも、生きたいんだと思う。だからこそ今ままで這いつくばってでも生きてるんだと思う。

本当は毎日、朝が来たことに喜びを感じながら目を覚ましたいと思う。朝が来たら、「今日は何をしよう、どんな新しい一日を生きよう」って当たり前のように思いながら布団から出たいと思う。

けれど今はできない。絶望・無力感・不安に押しつぶされて、布団の中で身動きができない。

誰かに助けてほしいって思う。誰かに大丈夫だよって言ってほしい。ただ存在するだけで、ただ生きてるだけでいいんだよって言ってほしい。

けれどほんとは、自分で自分に言ってあげるものなんだと思う。そのままでいいんだよ、どんな自分でも生きていていいんだよって。




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