窓の額縁 滲んだ水彩画
窓の額縁
水彩画の滲んだ夕焼けの先は
無垢な少女の
亜麻色の眼 紅く染まった頬
とても美しかった
色はあらゆるものを彷彿とさせる
そんな奥行きのあるものだと思う
どうしようもない空白を感じたら
想像をはたらかせ色を操る
私はそういう感覚で繋いできた
夏は終わった
秋の訪れを囁いた風が
色づいた木の枝の上で踊っていたあの日
あの日の夕暮れは涙がでるほどに美しかった
無垢な少女の亜麻色の眼 紅く染まった頬
誰も知らない
私だけの秘密の風景
私を満たす
尊い景色は色褪せない
そう思えることのしあわせは
愛らしくて
涙を拭ってくれる手はあたたかかった
奏でられるやわらかな旋律は深く色づいてゆく
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