ある日の昼下がり
私は久々の休日を満喫していた。
そして知人とビデオ電話をしていた。
するとその人がふと部屋が暗いからカーテンを開けた方がいいのでは?と言い出した
私は面倒くさがりなので気だるい様子で部屋に向かいカーテンを開けた。
そうしたら今度はその知人が十秒くらい窓を開けましょうと言い出したのだ。
私の面倒くさがりが一気に爆発してそれは
『ポォウ!』
という大きな声となって飛び出した。
そして気合を入れ窓を開けたら
なんと掃き掃除をしていた近所のおじさんと目があったのだ。
私は恥ずかしさのあまり逃げ出して、知人に
とても冷静な声で
『近所の人が掃除してて目があった。窓を閉められない。どうしよう』
と相談したが 知人はあまりにも面白かったのか息を吸いながら笑ってしまいにはむせていた。
わたしは今まで築いてきた近所の人へのクールな印象が一瞬で壊れてしまったのではないかと、今後その人に会ったらどうしようと必死に頭を巡らせていた。
そしたら知人が
『挨拶してきたらいいじゃないですか』
『そして、鼻歌歌いながら掃除機かけましょう』
と提案してきた。
極度の面倒くさがりな私が掃除機を取り出すことができるわけもなく、さらには鼻歌を歌う?
さらに変な人に思われるではないか!と思い、できずに
壁からコソコソと外の様子を伺っていた。
すると近所のおじさんはあろうことか
植木の伐採まで始めたのだ!!!
私は完璧に窓を閉めるタイミングを失った。
そして悟った
(性格というものはいくら隠してもいつかはバレるものなのだ)
と
いや、もしかしたらだいぶ前から近所の人から変な人だと思われていたのを知らないふりしていたのかもしれない。
それでも声をかけてくれる近所の人の温かみを思うと心が満たされていった。
そして私は
部屋の死角から死角へと移動し
窓を静かに閉め
カーテンを閉め
部屋を疾風の如く退出したのであった。
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