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クリスマスキャロル Deck the Halls を歌おう

突然だが、私は歌うのが好きだ。この時季になるとクリスマスキャロルが歌いたくなる。heldioに出会ってからは、子どもの頃に親しんだクリスマスソングの英語の歌詞がどんなものか知ることにも興味が湧いている。
最近Youtubeで「ひいらぎかざろう、ラララララーラ ラララ♪」で始まる有名なあの曲の英語版に出会った。
曲名は$${\textit{Deck the Halls}}$$だ。(日本語の曲名はそのまま「ひいらぎかざろう」。)Wikipedia調べだが、この曲はもともとウェールズの$${\textit{Nos Galan}}$$というキャロルで、1862年に英語の歌詞が書かれたそうだ。(ウェールズ語で歌われるこの歌もとても素敵なのでぜひ"Nos Galan"で検索して聴いてみてほしい。)

当初のものとは異なるようだが、今回はYoutubeでよく歌われているヴァージョンの歌詞について考えてみたい。

Deck the hall with boughs of holly,
'Tis the season to be jolly,
Don we now our gay apparel,
Troll the ancient Yule-tide carol,

See the blazing yule before us,
Strike the harp and join the chorus.
Follow me in merry measure,
While I tell of Yule-tide treasure,

Fast away the old year passes,
Hail the new, ye lads and lasses!
Sing we joyous all together,
Heedless of the wind and weather,

Deck the Halls

なかなか古風な歌詞ではないだろうか。冒頭のdeckは動詞で「(部屋などを)飾る」という意味だ。名詞では「デッキ、甲板」などの意味でお馴染みの単語だが、動詞としてこのような意味があったとは。「覆う」から「飾る」という意味が出てきたようだ。実はこの単語、先日の堀田先生の朝日カルチャーセンターの講座でオランダ語からの借用語として言及があった。その数日後、偶然にもクリスマスソングを検索していてdeckに出会ったのだ。
もう一つ注目したいのは、Yuleという語だ。私は今回初めて知った単語なのだが、これはクリスマスの古風な言い方だそうだ。Yule-tideはクリスマスの季節という意味。

1862年にThomas Oliphantによって書かれたオリジナルの英語版歌詞と比較してみる。

Deck the hall with boughs of holly,
'Tis the season to be jolly:
Fill the meadcup, drain the barrel,
Troul the ancient Christmas carol.

Deck the Halls by Thomas Oliphant

オリジナルは3行目で酒にまつわる表現が出てくるが、これが先の歌詞では晴れ着を着るといった内容に置き換えられている。
もう一つの違いは、4行目のChristmasがのちに広まった歌詞ではYule-tideという古めかしい言葉にわざわざ変えられている点だ。現代風の易しい表現に改められるかと思いきや、威厳を漂わせたい、という思いの表れなのだろうか。

日本の歌も然りだが、小さな子どもが歌う歌といえども古くから親しまれている曲に登場する語彙は案外侮れない。実用英語ではまず出てこないような英単語に出会える(しかも歌って楽しめる)ところが歌の良いところだ。

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