( ^ω^)はパンツライフを守りたかったようです


1: 以下、文学フリマで\(^o^)/がお送りします 2024/12/1(日)


駅で……デパートで……そして学校で。
階段下から覗き込めばスカートの中が見えるポイントはこの世にいくつあるのだろう。
そういった情報は下世話な者たちの間で共有され、広まっていく。
それは、インターネットの拡散よりも早く、そして粘度の高いものである。

スマホで無限にムフフなサイトは見れるがそうではない。
僕たちはここでパンツを見たいんだ。

( ^ω^)「言うなれば、どれだけ音質のいいサブスクがあってもライブ会場にいきたくなる、みたいなもんかお…」(遠い目)

('A`)「急になに言ってんだ」

( ^ω^)「そして僕は内藤ホライゾン。通称ブーン。どこにでもいる中学二年生」

( ^ω^)「強いて特徴を挙げるとするなら、少しワガママボディだってことかナー」

('A`)「おいおいこいつ止まんねえぞ」


2: 以下、文学フリマで\(^o^)/がお送りします 2024/12/1(日)

(´・ω・`) 「シッ 静かに!足音が近づいてくるよ!」

('A`)「……この内履きの擦れ具合、廊下の真ん中を悠々と歩く音、歩幅からするに…身長145〜150の二年生、それも陽キャだ!」

(´・ω・`)「その条件ならこれはきっとB組のツンξ゚⊿゚)ξだね。ブーンが好意を抱いてる娘だ。良かったじゃないか」

( ^ω^)「えっ!?ツンが来るのかお?」

( ^ω^)(マズイお…有象無象の股間布は見放題パスでもいいとして、僕の彼女※脳内 のツンだけは周りの変態野郎どもに見られたくないお…) 

('A`)「どうしたブーン? (^ω^)うはwww ktkrwwww とか言うと思ったが静かじゃねえか」

3: 以下、文学フリマで\(^o^)/がお送りします 2024/12/1(日)

( ^ω^) ハッ!? 

このとき、ブーンに電流走る!
昨日のネットサーフィン(6時間)で得た知見が脳内を駆け巡った!
ブーンの手は意識よりも早く、反射的に両の手で様々な印を結びだす!
それはさながらナルトのようでもあり、
ろくろを回すベンチャー社長のインタビュー動画15倍速のようでもある!
( ^ω^)「くぁwせdrftgyふじこlp」(詠唱)

( ^ω^)「あっあんなところにUFO!」

('A`)「うっそ!?」

(´・ω・`)「なんだって?月刊ムーにすぐタレコミ料を聞かなければ!」

晩秋の夕陽が足早に沈もうとする山々よりも更に上、テトリスのちょっと組み立てにくいやつみたいなテカテカした物が上下しながら空に佇んでいた。

( ^ω^)「このまま落ちたら微妙に全消しできないみたいな形で来やがって…」

( ^ω^)「でもぶっつけ本番で成功したお! グレート・チャネリング!」

ξ゚⊿゚)ξ「説明しよう!チャネリングとはUFOを呼ぶときにやる儀式のことである!」

('A`)「すげー! あんなの初めて見たぜ。パンツよりも価値があるんじゃねえか?」

4: 以下、文学フリマで\(^o^)/がお送りします 2024/12/1(日)


( ^ω^)「なんとかUFOの方にクソ変態ボケ野郎どもの視線を逸らすことはできたわけだが…あとはツンが外の異常に気づいて階段を降りるなり窓の方に行くだけだお!」
 
ξ゚⊿゚)ξ「何かしら。下の階が騒がしいわね」
ツンは足をそのまま階段の方へ向けた。

( ^ω^)「なっ!?まさか!そのまま下りて来る!?」

( ^ω^)「このままでは階段を下りてくる間ずっとパンツが見える状態になる…その間一瞬でも誰かが階段の方を見たらアウトだお!」

( ^ω^)「こうなったら…やるしかないお!」


5: 以下、文学フリマで\(^o^)/がお送りします 2024/12/1(日)


⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
ブーンは柱の陰からツンの視界に入る場所へ飛び出し、ツンに声を上げた。

( ^ω^)「ツン!こんにちわだお!パンツ丸見えだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ……きゃああああああああ!」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンのバカ!変態!」

ツンは階段を駆け上がってどこかへ行ってしまった

( ;ω;)「これで…これでいいんだお…僕が嫌われてツンが救われるなら…」

('A`)「お、おい!なにしてんだよ!俺まだパンツ見てないのに!いや、それどころか、これでもうこの階段には女子が寄り付かなくなるぜ!」

(´・ω・`)「ああ、残念だがおしまいだ。これでパンツウォッチャーの会はお終いだな。やってくれたね、ブーン。」

6: 以下、文学フリマで\(^o^)/がお送りします 2024/12/1(日)


友情も、恋も、一瞬にして失った。彼は間違っていたのだろうか。
他に手段は無かったのだろうか。
だが、一つ言えるのは後悔はないということ。ブーンの心は晴れやかだった。
それは黄金色の夕焼けにも負けない、輝きだった。

( ^ω^)「さよなら、僕のパンツライフ…」

( ^ω^)(あとUFOってどうやって帰らせるんだお…)

その後いつまでもUFOは浮かんでいた。


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