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結局医学部受験の何が難しいのか①国公立受験の難しさ

まとめ記事はこちら(順次更新していきます)

6年間の私立の学費は最低ラインが国際医療福祉大の1850万。最高が川崎医科大の4700万超。
普通の理系学部4年間通わせる平均は600万円程度(記事ベネッセ データは文科省)ということなので、やはりとびぬけて医学部の学費が高いことがお分かりいただけるかと思います。

ということで、多くのご家庭にとっては国公立と特殊な私大(自治医・産業医科・防衛医科)が選択肢になります。

国公立の受験の仕組みとしては、1月中旬の共通テストの点数の上に、前期(2月25・26日)もしくはわずかな定員の後期(3月9日以降)の2次試験の点数を乗せて判定されるわけですが、共通テストで最低8割を目指して(上位校はそれ以上)それに届かなければ基本的にスタートラインに立てません。

つまり、これは、受験の早い時期(1月中旬)に仕上げておかなければならないということを意味します。(=最後まで伸びる現役は不利)
そしてこの試験でこければ、全国公立の可能性が大幅に下がってしまう、2日間の一発勝負ということなのです。

また、国公立は基本的には都道府県に1校ずつしかなく(札幌・東京・名古屋・大阪・京都は2校)、各大学100名前後の定員に限定されていることから、首都圏などの大都市圏の国公立を受験するとなると、人口対比で言ってとてもハイレベルな戦いになります。

結果として、共通テストで一定以上の得点率を得られなかった大都市圏の受験生が地方国立に流れます。
ある地方国公立大の医学生には、「やっぱり意外と都会の金持ち家庭の優秀層が来てますよ」と言われました。

しかしながら卒後大都市圏に戻ってしまうことから、地方国公立が育てた医師が地方に定着せず、医師の地域偏在問題(地方の医師不足)が発生しています。

これを解消するために「地域枠」という仕組みが導入されています。
詳細は各大学さまざまですが、基本は
・卒後9年間県内で勤務することを前提とする
・一定地域在住もしくは卒業の高校生しか応募できない推薦入試もしくは
 一般入試でも合格基準が緩い枠
という感じでしょうか。
正確に調べていませんが、30名~50名ほどをこのような枠で募集している感覚でしょうか。
大都市圏の生徒は、「一人暮らしを覚悟のうえで」地方に行っても限定された定員枠を争うことになるわけです。

とある東北の国公立大のオープンキャンパスで、わが子が面談で聞いてきたことが印象的です。「都会から来た一般入試のやつらには何もかもかなわない」

このように地域枠による格差ができていると感じました。わが子は地方で小学校の途中まで育ちましたが、そのままその都市にいればもっと楽だったのにね、と、当時の同僚に言われました。

トータルで言って、大都市圏から国公立医学部を目指して、現役で合格できるのは一握りの優秀層に限られる、ということになります。


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