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息子が好きなテベリ番組
4歳の息子。保育園から帰ってきたら、手を洗って、お片づけをして、お菓子を食べる。一通りのルーチンが終わると、私に向かってこう言う。
「お母さん、なんか面白いテベリ番組見たい」
祖父母と同居しているからか、息子は口が達者で大人顔負けに喋るくせに、いまだに言えない言葉が二つある。それは「テレビ」と「ヘリコプター」だ。なぜだか「テベリ」と「ヘリポクター」のままなのだ。頭ではわかっていると思うのだが、口がそれで覚えてしまっているのだろう。
「なに見たいの?」と聞くと「長いのひとつ!」と言う。
「長いの」とは1つが10分から30分くらいの番組のこと。義母が録画してくれているのだ。はじめは「テレビ見せるなんて・・・きりないし」と思っていたし、実際「もうひとつ見たい!」と暴れる息子に手を焼いたこともあった。
ところが最近は、息子も成長したのか「ひとつ」と決めたらすんなり納得してくれることが多くなったので、数を決めて見せている。
リモコンを操作し、「ジャンル」ごとに一覧を表示する。「アニメ」「ドラマ」「趣味・教養」を一通り見る。
「新しいのある?」「あ、むーにゃんあるよ」「じゃあ、それにする!」
うちは基本的にNHKしか見ないので、録画番組もNHKが多い。「むーにゃん」とは「なりきり!むーにゃん生きもの学園」という、生き物になりきってその特性を知るという番組だ。「こんな昆虫いるのか!」とか「こんな特性があるのね」とかいろいろな発見があって面白い。
その他にも息子がよく見ている番組は「すイエんサー」「ピタゴラスイッチ」「ミミクリーズ」「ミルドレッドの魔女学校」。
「すイエんサー」や「ピタゴラスイッチ」を見ると必ず感化されて、「これ一緒に作ろ!」「やってみよ!」と目を輝かせる。「いや、材料ないから」とやんわり断ることが多いのだが、「すイエんサー」でやっていた似顔絵を描いたり、段ボールや椅子を持ってきて「ピタゴラ装置」らしきものを作ったりして楽しんだこともあった。
「ダーウィンが来た!」もお気に入りだ。劇場版の「ダーウィンが来た!」では恐竜に興味を持った。ちょっと地味(?)かもしれないが、日曜の朝にやっている「さわやか自然百景」も毎週見ている。こちらは舞台がすべて国内なので、親近感がわきやすい。「こんな鳥おるんやねぇ」「可愛いねぇ」と、会話も弾む。
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夫は妙に物知りだ。テレビでへんてこな生き物が映るとすぐにその名前を口にする。「なんでそんなこと知ってるの?」と聞くと「こどもの頃、生き物の番組ばっかり見てたから」だという。図鑑もよく見ていたらしい。
ふーん。男の子ってそういう人多いのかも。夫は芸能人なんかにはまったく興味がない。「好きな女優さんは?」と聞いても「わからん」という。でも「アノマロカリス」はわかる。(古生代カンブリア紀に生息した生物)
息子もそうなるだろうか。「むーにゃん」を一緒に見ながら息子を見つめる。今回はセミについての特集だった。
「ミンミンゼミとヒグラシ、鳴く時間に違いがあったけど、わかった?」
と聞いてみた。
「ヒグラシは暗いところが好きやから、暗い時間に鳴く!」
お、わかってるじゃん。
だらだらとテレビを見るだけじゃやっぱりもったいない。どうせ見せるなら少しでも為になるものを、と思っている。なんの役に立つかはわからないが、へんてこな生物の名前を知っている人生の方がなんとなく楽しそうだから。