
年下の男の子に褒められることに慣れていない34歳の私
リモート勤務になり早2年。
1年は育児休暇を取っていたため、会社の同僚と会う機会が本当に減った。
先日、2年ぶりに先輩(女性・Kさん)と会社で会った。
Kさんは私を見るなり、開口一番、「あれ?なんか可愛くなったね?」と言った。
「ん?何が違う?前髪か!前髪作ったんやね?」
そう。育休中、私は前髪を作った。
前髪を作ったのは高校生以来のこと。
「この人なら、任せられる」と思える美容師さんに出会ったことをきっかけに、思い切って前髪を作ってみたのだ。
実家の母にも、フラ仲間にも、会社の人にも、会う人みんなに「あれ?前髪!」と言われた。
私より年上のお姉さま方はこぞって「可愛いね」と言ってくれた。
ちょっと恥ずかしかったが、相手が年上のお姉さま方なので「へへへ、そうですか?」なんて言って、お褒めの言葉をありがたく受け取っていた。
だから、久しぶりに会ったKさんの「可愛くなったね?」にも、「そうですか?ありがとうございます」なんて返せるまでになっていた。
しかし。
Kさんと話している最中に、ひょっこり後輩の男の子(私より7つくらい下・Y君)がやってきて、こう言ったのだ。
「そうですよね、星野さんなんか雰囲気変わりましたよね。I君とも”星野さん、若くなったよね”って話してたんですよ。」
え?え?なんて?いまなんて言った?
「若くなった」って、言い方ちょっと微妙だけど、褒めてるんだよね?
I君と、私のこと話してたって?(ちなみにI君は、私より5つ年下の男の子)
年上のお姉さま方の「可愛くなった」には慣れていた私だが、年下の男の子への免疫はないぞ。
Y君とI君が私のことを話題にしている図を思い浮かべる。
いや、なんか、めっちゃ恥ずかしいんですけど。
かーっと耳が熱くなる。
Kさんが「ね、雰囲気変わったよね。可愛くなったよね。」と念を押すようにY君に話している。
Y君も「うんうん」と頷いている。
やだやだ、こんな感じ私慣れてないよ。
「いやいや、もういいですよ、私のことは。なんか、恥ずかしくなってきましたよ。」
と言って、顔の前で手を振ってごまかした。
「いや~、まだ可愛くなれるっていいことやと思うよ。」
Kさんはしみじみとして言った。
確かにそうかもしれない。
20代の頃は「きれいになったね」が誉め言葉だった。
成人式の時、何年ぶりかで会う友達同士でお互いをそう言いあっていた。
それが、30代になると「変わらないね」が誉め言葉になった。
言われたときはわからなかった。
「みんな、変わらないね」ってことが誉め言葉だってこと。
だから、Y君の「若くなった」っていうのも誉め言葉だってすぐには受け入れられなかったのだが、7つも年下なのだから、「若くなった」は十分誉め言葉なのだろう。
年上のお姉さま方はそれを「可愛い」と表現してくれるが。
とにかく、私は褒められたのだ。それは事実。
容姿で褒められることなんて滅多にないし、この先ももうあまりないかもしれないので、ありがたく受け取っておこう。
年下男子への免疫は、きっと私にはつかないと思う。