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最終手段、絵本

4歳の息子は寝起きがすこぶる悪い。朝も、車の中で寝てしまったときも。

「まだ寝とりたかったんにぃぃぃーーー」

と暴れだす。自分で起きるときは問題ないのだ。どうも人に起こされる、というのが嫌らしい。

今朝もそうだった。

「ねぇ、ケン、朝やよ。起きる時間やよ。」

声をかけても、まぁ、起きない。これ以上声をかけると、また暴れかねない。あれを出すか。

寝室を出て仏間に向かい、押し入れを開ける。

「これはまだ読んでないかな」

1冊の本を取り出す。今朝選んだのはこちら。

毎週末、図書館で息子用に10冊の本を借りてくる。寝る前に絵本を読むのが習慣になっているのだ。以前は寝室に10冊すべてを置いていたが、半年くらい前から押し入れに隠しておくようになった。

なぜそんなことをしているのかというと、読む本は「3冊まで」と決めていたのに、息子が「もう1冊読んで」と言うようになったからだ。絵本くらいこどもの好きなだけ読んであげればいいじゃない、と思うかもしれない。

でもこれがなかなか厳しいのだ。2歳ころまでなら、絵本の内容も単純なもの、ページ数も少ないものを選んでいたのだが、4歳にもなるとそれでは満足できなくなる。内容も複雑になるし、ページ数も多くなる。数が多いと、読むのに疲れてしまうし、寝る時間もどんどん遅くなる。

そして息子の場合、「1冊」と言っているのに「もう1冊、もう1冊」とキリがないのだ。だから、「寝室には常時3冊しか置かない」「残りは仏間に隠す」という対策をとった。

そして毎日、仏間から3冊ずつ選んで寝室に持っていっている。

「ケン、”アントン先生”読むよ。リビングに行こう。」

薄目を開ける息子。シメシメ。作戦は成功。とりあえず、1ページ目だけ読む。読んでいるとだんだん息子の目が開いてくる。

「ほれ、後はリビングで読むよ。」

「嫌だ。ここで読んで。」

仕方がない。もう1ページ読み、読みながら私は歩き出した。すると息子も起きだしてきた。ヨシヨシ。いいぞ。

絵本のページを息子に見せるようにして、私は続きを読みながら歩く。息子もそれについてくる。

そうして無事、リビングまでたどり着くことができた。

絵本は息子にとって、楽しいコンテンツであり、頼れる相棒のようなものなのだ。私たち親にとっては、子育てツールのひとつになっている。

「トイレなんか行かない!」とトイトレを嫌がったときも、「保育園に行きたくない!」とぐずったときも、「じゃあ、絵本読みながら行こう」と誘うと、大概うまくいった。

絵本との思い出といえば、特に印象に残っているものがある。

有名な本なので、知ってる方も多いかもしれない。特に子供の「指しゃぶり」に悩んだ方なら、こどもに読み聞かせたこともあるのでは。

息子はなかなか指しゃぶりが辞められなかった。2歳ごろには外れるかなと思っていたのだが、まったくダメだった。そこで見つけたのがこの本。

さっそく借りて読んでみた。ゆびにできたタコがしゃべりだすというちょっと怖い話だ。ゆびのタコが怖くてゆびしゃぶりをやめる子供が多いとか。

息子は特に怖がる様子もなく、「このタコ変な顔しとるー。」といって笑っていた。

けれど、この本を読んでからほどなくして指しゃぶりを卒業したのだ。指にタコができては困ると思ったのか理由はわからないが、この本がやめるきっかけになったのは明らかだった。

**

さて。今夜の3冊はなにを選ぼうかな。



**** ここからは余談です ***

前に図書館で借りた絵本の中で、私が好きだったものがある。

それがこちら。

とても愛らしい動物たちと、おいしそうなお菓子。12か月のエピソードに、どれも心が躍った。5月だったかな、さくらんぼのチーズケーキが特に美味しそうだった。

ある時、noteの「みんフォト」で見覚えのある絵を見つけた。クリックして作者を確認すると、「これは!」あの本の作者さんだった。

以来、ももろさんの「みんフォト」を使いたくて仕方がなかった私。

今回、使用させていただきました。とてもとても嬉しい!それだけです!







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