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水曜夜、2回目の映画館

昨日。1日がかりの会議を終えて、未読のメールを置き去りにして向かった映画館🎥
履きなれないパンプスで歓楽街を抜ける。
私は年齢の割に知らないことが多いと思う。
だからこの行為が既に「大人」のコスプレをしているみたいで、笑える。
あの日以来、二度目のミニシアター。
水曜日は安い日なのだ。
とはいえ電車代もかかるので、私にとってはそこまで安くない。
サービスデーというのは、欲を正当化するためにあるようなものだ。

前回、映画館の雰囲気に魅了され、これは通うぞと確信したものの、だいぶ期間が開いてしまった。色々な条件が揃う必要があったのだ。

・帰りが遅くなっても翌日働ける自信があること
・水曜日であること(前述)
・興味のある映画が18時台から上映されること
(レイトショーはもっと深夜の回らしいけれど、響きが好きなのでそう呼ばせてもらう。)

昨日は会議の疲れから、退勤後お菓子を求めてまちおかに向かう途中でその条件が揃っていることに気づき、はっとして上り電車に乗った。

イル・ポスティーノというイタリア映画の復刻版を観た。
定職に就いていない内気な青年マリオが、文字が読めて自転車が乗れるという理由で郵便配達員を始め、他国から亡命してきた高名な詩人に荷物を届けながら次第に友人になっていく。
マリオは詩人から「隠喩」という技法を教わり言葉を使って気持ちを豊かに表現できるようになる。そして、モジモジしながらも一目惚れした女性にアタックする。
素朴で美しい田舎の風景や人の心、純粋で可愛らしい恋愛。
上映後、暖かい湯気に包まれるような幸せを感じながら帰路についた。
パンプスで10,000歩も歩いたため爪先が痛かったが、仕事終わりの映画館は素晴らしいということを再確認した。
(ちなみに今日の歩数は1,700歩という落差。)

夜の映画館、おすすめです。


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