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「どうすればよかったか?」を観るにはどうすればよかったか?

ふざけたタイトルをお許しください。

映画「どうすればよかったか?」は藤野監督が自身の家族を20年にわたって撮影したドキュメンタリーです。中心に出てくるのは医学部在学中に統合失調症を発症したお姉さん。監督の両親は医師であり精神科に関する知識も一般の人よりあるはずですが、お姉さんが精神疾患であろうことを認めず、やがて家に南京錠をつけて閉じ込めるようになり、医療機関を受診させるべきだと考える監督が何度も両親を説得するものの平行線のまま年月が経っていく様子が映されています。
映画『どうすればよかったか?』公式サイト

私はこの映画に公開前から期待していました。
私自身、市販薬濫用を繰り返していた過去もあって福祉とか精神疾患に関心があるのですが、自分の両親はそういった物事について考えることや触れることをタブー視しており、現代風に表現すると「あーね。」という雰囲気なのです。そして私の親にも一通りの教養があり、私たちは社会的に問題のない家族として過ごしているという部分で、監督の家族を遠くには感じませんでした。(ちなみに母から昨日何をしたかを訊かれ、この映画を観たことを話したところ、即話題を切り替えられてしまい悲しかった。)

どうしても観たかった作品なのでかなり前から映画館の上映スケジュールと自分の仕事の状況を確認し、映画館に行くタイミングを計っていました。そして毎月1日にチケットが安くなる「映画の日」と私の休日とが重なった2/1(土)、満を持して横浜のミニシアターであるシネマジャックアンドベティに向かったのです。
上映時間は夜だったので劇場近くの町中華で早めの夕食をとり、気合十分。
映画の日ということもありますが、この映画を観たい人の多さに驚かされます。
劇場内の通路に簡易椅子を並べるほどの超満員の中、上映が始まりました。

開始20分。私に悲劇が訪れます。猛烈に気持ち悪い。画面酔いです。
以前に映画「カメラを止めるな!」を見た時にも画面酔いを起こし、早々に離脱しました。
手持ちカメラで撮影された映画はぶれやすく、座っている私の身体感覚とミスマッチを起こして吐き気を催してしまうようです。町中華の餃子、最高においしかったのだけど今日ばかりはパンチの強いものを食べたことを後悔。
そこからは目をつぶり映像を観ないようにしましたが、瞼の向こうで明滅する光、繰り返し聞こえる叫び声によって私の三半規管バグは収まる気配はなく…満員電車のような劇場で周囲の方に「すみません」とささやきながら退出しました。

ああ無念!!
リベンジすることも難しいでしょう。
私は今日、一番ネタバレの多い映画感想文を探すことに夢中になっています。それでも観た人・観てない人に配慮された文章から得られる情報は限定的で、いくら感想文を拝読しようと私が映画を観たことにはならないのです。

映画の神様に教えてもらいたいです。
私がこの映画を観るには、どうすればよかったか?を。

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