のだりの読書記録「今日も言い訳しながら生きてます」
「あやうく一生懸命生きるところだった」の著者ハ・ワンが書く人生をちょっと生きやすくするかもしれないエッセイ。
僕はこの本を読んで「年収90万円で東京ハッピーライフ」の著者大原扁理さんの様なゆるく優しくでも柔軟で強い価値観を感じた。
この本の中で僕が気に入った二つのエピソードを紹介する。
嫌いの判断を遅らせると人生に奥行きがでる
この話は著者のハ・ワンさんが初めて食べた平壌冷麺が微妙だった事から始まる。
しかし世間ではなぜかそれがブームに。
わかる人にはわかる味などともてはやされ気になってもう一度食べてみる。
う〜ん、やっぱり微妙。
ことあるごとに今回は美味しかもしれないと好奇心で食べてみる。
う〜ん、微妙。
そんな事を繰り返しているうちに病みつきになる。
この事を人生の教訓としてとらえ始めに理解できなくても何度か試しているうちに好きになる事とある。
すぐに嫌いの判断を下さず、それは自分が理解できていないだけなのか本当に好みに合わないのか、その考慮と時間そして繰り返し試す事が自分の人生に奥行きを与える何かをくれるかもしれないよというお話。
僕がこの話を好きな理由は何度か味わわなければわからない魅力があるという事が救いのように感じられるから。
僕は人見知りだ。第一印象が良くないことも多い。そんな時僕はこれからこう思うだろう。
俺は平壌冷麺だ!時期に病みつきになるぜ!
もう一つ紹介する。
痛みは隠すほど大きくなる
貧乏で家庭環境の良くなかった著者のコンプレックスの話。
そのコンプレックスを打ち明けることの出来る友人と出会い、激しく同情されることもなくただ受け入れられる。
それだけの事がとても大切で傷を癒す薬になる。
そして著者はこう感じる。
「胸の奥にしまい込んでいたときは計り知れないほどの大きな闇だったのに、いざ明るいところにとりだしてみたら、案外小さな闇だった。」
一人で抱え込んでいたときはとてつもない事のように思えていたのにいざ人に話して「そうだったんだね。」と受け入れられると大した事じゃなかったかのように思う。
当然この時人に「大した事じゃないよ」と言われれば傷つくだろう。しかしただ受け入れられる事によって自分で痛みを手放せるようになる。
この話を読んで、人を癒すのは気の利いた言葉ではなくただありのままを受け入れる事なのだと僕は思う。
以上が僕が気に入ったエピソードだ。
他にも素敵な話はたくさんある。あなたの気にいるエピソードもきっとあるはずだ。
これを読んだからには世の中の様々な生きづらさに今日も言い訳しながら生きていけるはず。