【映画】黄龍の村
この作品を「日本独特の土着信仰ホラー」とか考えてたら、おそらく面食らいます。私がそうでしたし…。
作品は1時間ちょいと比較的短めです。さくっと観るにはちょうどいい長さですね。
物語
物語は、8人の若者たちがキャンプに行こうと盛り上がるところから始まります。山道を進む途中、携帯も繋がらない山の中で車がパンクし、彼らは助けを求めるために徒歩でトンネルを抜け「龍切村」にたどり着きます。そこで彼らは新次郎という男と出会い、パンクの話を聞いた新次郎は皆を自分の家に招待します。
新次郎の家では3人の若い女性が一行を出迎え、鍋を作ってもてなしてくれます。良かったらここに泊っていけばいいと言う新次郎の言葉を、一行は断ろうとするんですが、半ば押し切られる形で一泊することになります。
何故か食事も用意されていて、何故か人数分の寝具もある。訝しむ彼らが一夜を明かすと、そこから村人の様子が一変します。大学生の一人が朝食中に刃物で目の前で殺されてしまうのです。恐れおののく学生たちは、とある儀式に連れていかれます…。次々に殺されていく学生たち。カニバリズム的な展開もあります。
ここまでは「過疎の村の古い呪術的な土着信仰ホラー」です。ネタバレにならないように書くのが非常に難しいので、少しだけ触れると「実は学生側も意図的にこの村に来ている」メンバーがいるのです。予想できない展開だったなぁ。
感想
※ネタバレあります。未視聴の方は自己判断で。
これ、ホラーじゃなくアクション映画でした。ある程度、そういう動きが出来る役者さんをそろえたのかもですが、殺陣が見事。もうなんかこの時点でおかしいんですけど、実際そうなんです。タランティーノ映画観てる感もちょっとあったりします。(タランティーノも悪ノリ監督ですよねw)
面白いのは序盤で目立ってた大学生4人(陽キャ軍)は、どっちかっつーと目立ってない4人(陰キャ軍)を見下している感があるんですね。でも、実はこの構図はフェイクです。陰キャ軍の活躍っぷりが本当にかっこいいw
しかも、この4人ってバトルに慣れている感があるんですね。通常は戦闘って、アドレナリン出まくって高揚している状態になると思うんですが、そこが皆無。あの淡々と仕事をこなしている感じは「場数を踏んでないと出ない」です。無線で連携を取り合う時も、あくまで事務連絡のようなフラット感。メラメラ燃えてないけど、かといって冷徹にクールにやってるでもなく、フラット。本当に感情の起伏がない「日常」感がある。映画ってどちらかというと「喜怒哀楽を表現する役者さん」がどうしても目につきますよね。そういう「揺さぶろう」感がない。別に棒読みって意味じゃなく「普通のテンションの友達の会話」的な。
評価はめっちゃ分かれると思う。ノリについていけない人は多く出ると思います。けど、私はかなり楽しめましたw