【読書】大川慎太郎「証言 羽生世代」
「証言 羽生世代」という本を読んだ。面白い。静かに熱い。郷田九段のインタビューのかっこよさが素晴らしい。「羽生世代というのは、高いレベルで争っていかなければいけない。低いレベルでは意味がない。これからも皆にはトップでいてほしいし、自分もいるつもりです。志がある限りは頂点を目指すし、僕は50歳になっても60歳になってもタイトルを獲るつもりですから」こんな言葉、自分には言えない。「いけない」「意味がない」という断定口調の力強さと、「タイトルを獲るつもり」という決意。やはり郷田九段はかっこいい。
羽生世代に将棋の強い棋士が各棋士に尋ねられているが、谷川九段の存在の大きさもしばしば言及されている所であった。将棋棋士のイメージを若くてクリーンという良いものにした結果、親が子どもに勧めやすくなったという指摘。トップにいる人の振る舞いはその業界の未来を作りうるのだと思い、なるほどであった。面白かった。