【読書】芦沢央「神の悪手」
「神の悪手」という本を読んだ。短編集特有の「もうここで終わるの?」「ここからが面白いところなのに」感を多分に味わったが、面白くないというわけではない。ただし、上記の感想を抱いたので、物足りないという感覚は持ったと言わざるを得ない。
タイトルにもなっている「神の悪手」では、相手が自分の想定通りの手を指してくるが故に却って戸惑うという心情が描かれているが、この心情はまさしく深浦康市九段が藤井聡太竜王に対して頂いている心情と同じである。藤井さんはフィクションを越えてくるという話をたまに聞いてそこまで言わなくてもと思っていたが、本書を読んで、このストーリーは藤井さんと同じだと思うに至ったので、藤井さんはフィクションを越えることもあるのだと思った。
総じて読みやすかった。
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