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『ゴリオ爺さん』

『ゴリオ爺さん』
バルザック
平岡篤頼 訳
新潮文庫

貧乏下宿に住むゴリオ爺さんは二人の娘にほぼ全財産をつぎ込み、貴族と銀行家と結婚させるが……。“人物再登場法”を用いたバルザック作品群「人間喜劇」の作品のひとつ。


うわぁ。ちょっとすごかった。中盤以降ページをめくる手が止まらなかった。こんなに長い小説なのに!
やっぱり、長く読み継がれてきているものは、面白いですね。

登場人物が結構多くて、途中まで、これ、こんなに人数いるかな?くらいにしか思っていなかったけど、全員に意味があるというか、全員ちゃんとその時代にパリに生きている人として存在しているんだと読んでて感じさせられた。

なんというか、作品上ではいわゆるモブかもしれないんだけど軽く扱われていないというか……。登場人物一人一人に奥行きがあって、たまたまこの場面に遭遇したから小説の中に描かれているというか……なんて言ったらいいんだろう。とにかくすさまじかった。自分が作品の波に飲み込まれて食べられてしまいそうな。

伏線、というかそういうことじゃなくて大きな物語のうねりの中に身を任せられるような体験だった。

そして、“人物再登場法”というのはバルザックが開発したんですね?知らなかった!人物再登場法、大大大好物です!この作品に出てきた人物は、主要人物以外も、他の「人間喜劇」と呼ばれる作品群の中にところどころ登場しその後の動向を知ることが出来るよう。

他のも読みたくなる!!

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