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藤井風ライブと愛犬とのお別れの話

私はくじ運が強い。
たぶん。

宝くじも数回
大きな金額ではないけれどそれなりに。
お祭りのくじ引きでもそれなりに。
でも、期待すると外れる。
まあ、そんなもの。

SNSでつながった方との何気ないメッセージのやり取りの中で、ふと思い出したことがある。

2023年1月4日 マリンメッセ福岡
お正月明けすぐのこの日。
手が届きそうなほど近くに
藤井風くんがいた。

そう、私は藤井風くんのライブに当選していたのだ。
しかも第一希望の福岡。
たしかアリーナ席の8列目。

帰省していた娘が福岡に戻るとき
一緒に行けたらいいなあ、なんて思い描いていたから。
まさかね、当選するとはね。

実はこのころ、愛犬らんの闘病が佳境に入り
年を越せるかどうかという瀬戸際にいた。

チケットを申し込んだのはもっと早い時期だから、まさかこんな状況になっているとも思わず、当たったらいいな、なんて軽い気持ちだったと思う。


2022年10月末、9歳のらんは
悪性リンパ腫消化器型で
余命3カ月程度と告げられていた。
私たち家族はたくさんの人たちの協力を得ながら、フルパワーで日々を乗り切っていた。

出来ることは全てやりきって
12月の半ばには自然に任せる決断をして
全ての治療を止め、
水分の摂取だけとなっていた。

私たちにできることは、
ただらんの命を見守ることだけ。

サットヴァ(純性)あふれる
そんな時間を私たち家族は過ごしていた。

このライブに行けば、
らんの最期に寄り添えないかもしれない。

以前の私なら福岡行きを取りやめていたかもしれない。

でも、この時の私は
何があっても行こうと決めていた。
たとえ前日にらんが亡くなったとしても。

それは決して揺るがなかった。

十分にらんのことを愛してきた。
そして、家族に安心してらんのことを任せられる。

もう、誰かや何かのせいにして生きることをやめる。自分で決断して生きていく。
次のステージに向かう為の、神様からの最終テストだったのかもしれない。


藤井風くんのライブは
本当に優しかった。
ここもまた、
サットヴァに溢れた時間だった。

「ガーデン」が流れた瞬間
涙が止まらなくて、立っていることができなかった。
それは、風君に会えた喜びでもなく、
らんとのお別れが近づいているという悲しみでもなく、ただ魂が震えているという涙だったように思う。


2023年1月12日
享年9歳と11カ月でらんはこの世を去りました。
らんちゃん、ライブ後も1週間がんばってくれました。

最期の瞬間は私が会社から帰った直後。
ふんわりと抱きしめた腕の中で
プラーナ(ウダーナ)が出ていくのを
しっかりと私に見届けさせてくれました。

あれからもうすぐ2年。

秋が深まってくるこの季節。
らんと過ごした最後の3カ月。

今日もまた
あの特別な3カ月を思い出しています。








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