薊に聞いてくれ
薊の花が好きだと貴女は言った
薔薇のように気高さをあからさまに棘つかず
野草の様に低く低くは頭を垂れず
鮮やかな紫を纏い凛と佇む夕方と
朝露の冠を得て澄んだ瞳
朝日を避ける様に走り去る夜の影を
寂しそうに見つめる貴女は
少し濡れて冷たい路面を
愛おしそうに触れた貴女は
今日という何もない毎日の一回を
明日という確証もない不安定な未来を
待ち望むのか諦めなのか
ただ待ちぼうけの様に立ち尽くす
薊に何を見たのかわからずに
私は唯々貴女の横顔を見つめている
薊の花が好きだと貴女は言った
薔薇のように気高さをあからさまに棘つかず
野草の様に低く低くは頭を垂れず
鮮やかな紫を纏い凛と佇む夕方と
朝露の冠を得て澄んだ瞳
朝日を避ける様に走り去る夜の影を
寂しそうに見つめる貴女は
少し濡れて冷たい路面を
愛おしそうに触れた貴女は
今日という何もない毎日の一回を
明日という確証もない不安定な未来を
待ち望むのか諦めなのか
ただ待ちぼうけの様に立ち尽くす
薊に何を見たのかわからずに
私は唯々貴女の横顔を見つめている