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【シーン解説】認知症の伝え方 | マーガレットサッチャー鉄の女の涙

あらすじ

沈みゆく英国を建てなおした<鉄の女>マーガレット・サッチャー。その鉄の意志の向こうに、彼女はどんな涙を隠していたのか。そして、それを支え続けた夫の存在とは―。これは偉人伝ではない。信じるもののために力の限り戦い、傷つき、老いて戦場を去ろうとしているひとりの女性を描く感動の物語。

開始5分で「名作」かわかる

この作品の開始5分!
私はこの作品はいい映画だと思いました。
いろんな作品を鑑賞してきて開始5分で心を掴ませられる瞬間があります。
このマーガレット・サッチャー鉄の女の涙もそうでした。

そのシーンがこちら↓

サッチャーは認知症を患い、夫の死すら覚えていませんでした。
その事実を観客に伝える方法が素敵だなと思いました。

2つの視点

この悲しい事実を、2つのカメラの視点を使い、かなり短い時間で、切なさも温かみも混ぜながら伝えます。

▪️1つはサッチャーの視点。
素敵な夫と楽しく朝食を食べる。鉄の女と呼ばれるほどの強いサッチャーを支えただろう優しく温和な夫デニス。短いセリフと彼の雰囲気でわかります。
2人には硬い絆がありそうです。

▪️2つ目はドアを開ける女性の視点。
ドアを開けたその先が映った時、サッチャーが認知症を患っていると気付かされます。サッチャーの中には未だ優しい夫は生き続けているんです。

女性だけでの視点でも認知症を伝えることはできるけど、認知症の人の頭の中を映像化するのは、認知症を冷たく悲しく映し出さず、なぜか暖かくすら感じます。

そして、卵を食べるサッチャーと、2人分の食器と空席の椅子のカットに音楽が静かにインしてくるそしてタイトル!
はい、いい作品!もうね劇場出て行っていいくらい。いやダメか。

まだ見てないよって人はぜひ!

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