第3話 「きっかけは、少しの勇気。」
少しずつ「スキ」をいただけて大変嬉しいシオです。
最初はただの独り言ではじめるつもりが、少しでも読んでいただける方がいらっしゃると筆に気合いが入りますね。
読んでいただいた方々、大変ありがとうございます。
様々な「きっかけ」というのは、人一人を変えるようなパワーがあるモノで、無駄な「きっかけ」は無いのだと思います。
今ある自分を受け止めて、全ての「きっかけ」に感謝。
さて、第3話です。
タイトルは「きかっけは、少しの勇気。」
僕は空手を気付いたら小学6年生まで続けていた。
空手には形と組手があって、組手は叩かれるのが嫌であまり好きではなかった・・。
逃げ足だけは速かったので、組手の試合にでても完敗は無く、勝負にならなくて負けという判定がほとんどだった。
小学校生活では、クラスで何故かリーダーシップを取る存在となっていた。
理由は少し周りよりマセていたから。
小学4年生から髪にはワックスを付けて登校。
ランドセルではなく、ユニクロで買ってもらったトートバッグ。
空手の先輩である、リュウこと武田っちが格好よくて、憧れて真似をしていただけだ。
あと運動神経がよかったかな。
小学生って、運動神経がよかったら何故か人気者になれるよね笑。
そんな小学校生活を送っている時にある出来事に遭遇したのだ。
「イジメ」だ。
僕がいじめられていた訳では無く、
イジメられている同級生を目の当たりにしたのだ。
最初は戯れているだけと思っていたが、
日々ハードなモノとなっていき、特に暴力が酷かった。
僕は「やめろよ!」と言えず、
見て見ぬフリをする日々が続いていた。
ある空手の練習の帰り道、リュウに少し話してみたんだ。
僕:「学校で暴力を振るわれている人がいる、多分あれはイジメだと思う。リュウの周りにはそんな人いる?」
そうするとリュウは
リュウ:「お前はそれ見てどうしてんの?」
と聞かれた。
僕は:「見ているだけ、何もしてない。」
リュウはそれを聞いてこう言った。
リュウ:「そっか、お前はそいつ達と一緒だな。」
僕はその言葉にすごく悲しくなり、勇気が無い自分に失望した。
リュウ:「俺も周りにいじめられているやつがいた。俺はそういう奴が嫌いだからすぐに止めに入って正拳突きを顔に入れてやったぜ。」
僕は:「さすがじゃん!」
といったが、リュウの顔はあまり明るくなかった。
リュウ:「実はそれが理由で一瞬だけ、俺がいじめられるようになった。ただ、俺は強いから暴力して来た奴にやり返しているけどな!最初はムカついたけど、いじめてくる奴弱いからビビって今は何もしてこないよ笑」
と言って笑っていたが、
多分一瞬いじめにあった内容は胸糞悪い内容だったんだろうな。
リュウ:「もしお前がいじめられている子を守ろうと思うなら、空手で鍛えた技でやっつけてしまえ!まっ、お前に勇気があればだし、お前がどうしたいか?だけどね。」
と話をし、お互い家に帰った。
家に帰りお風呂に入りながら
「自分はどうしたいか?」と考えていたけど、
結局答えなんかでなかった。
今思えば、答えを出すことよりも、
怖さの方が優っていたんだろうな。
いじめに遭遇することなく
いつも通りの学校生活を送っていたが、
ついに遭遇することとなる。
忘れもしない、大雨の日の学校の帰り道。
いつものいじめっ子3人組が傘を振り回して
いじめられている子を叩いている。
その光景を見た僕は、
リュウが言ってた言葉を思い出し
「俺がどうしたいかだな」と心で答えを出し
その場に飛び込んでいった。
僕:「おい!お前らー!何してんの?」
いじめっ子A:「あっ、お前もやる?こいつキモいからさ」
僕:「いや、やんない」
いじめっ子B:「なにお前、邪魔すんなよ」
僕:「お前達見ているとムカつくんだよ!!」
いじめっ子A:「お前文句あんのか?たたくぞ!?」
両者胸ぐらを掴み合って、
押し合いと口喧嘩になっていった。
すると、いじめっ子Cが
僕の頭を傘で叩いてきたんだ。
感情が暴走したのはこの時が初めてかもしれない。
「・・・・・。」
手が痛い。
この日初めて空手以外で人を殴った。
僕は気づいたら、
いじめっ子3人を殴って追い払っていた。
いじめられていた子の名前は、まっちゃん。
まっちゃんは
まっちゃん:「ありがとう。」
と言ってきた。
僕は「いやお前が弱いからこうなるんだよ!」
と、本当は怖かったくせに、強い口調で言った。
因みに、まっちゃんと話したのはこの日が初めて。
僕の足からは、
傘の骨が刺さってしまって血が出ていた。
まっちゃんの家の方が近かったから、
治療をしにまっちゃんの家に行った。
まっちゃんのお母さんにまっちゃんは、
「お前らー!ってやってきて、3人をボコボコにしてたんだよ!」
って嬉しそうに話していた。
まっちゃんのお母さんは、
僕の母に何があったか電話をしてくれて、
母さんが車で僕を迎えにきてくれた。
その車の中で、
母:「危ないことして、喧嘩に武器使うって卑怯なやつらだな!」
「普段喧嘩なんてしないのに、よっぽどカッときたんだね。」
僕:「いや喧嘩じゃない。いじめっ子退治。」
母:「まっちゃんて子いじめられてたん?」
僕:「そう結構前からいじめられてた」
母:「そうなんだ、組手では逃げてばかりなのによく戦えたのね。笑」
「でも続けて来た空手がいい意味で使えたね!」
とか話ながら、
母は少し嬉しそうな顔で話していた記憶がある。
緊張がほぐれて、安堵して眠くなった記憶もある。
因みに、太ももに傘の骨が刺さって、
縫うことになって今も傷跡が残っている笑。
その一騒動が終え、学校へ登校した時。
その事が何故か学校中、話題になっていた。
ヒーローになった気分だったが、
それも一瞬のことでした。
次はまっちゃんをイジメていた、いじめっ子3人が別の複数人から暴力を振るわれていた。
最初は、
「自分達がやったことが返ってきただけだろう」と思っていたが、見ているとやはり胸糞悪い。
結局「お前らー!」をここでもやっちゃいました。
空手の練習の日。
リュウに報告した。
僕:「いじめっ子退治できた。笑」
リュウ:「その傷そん時のか?男の傷やな笑。お前そんなに強くないのに良く退治できたな。」
僕:「そういえば、結構記憶なくて・・・笑」
リュウ:「案外組手強いんじゃね?」
僕:「いやー、組手はまだ怖い。。」
リュウ:「でも空手やってて、よかったな!」
この出来事が「きっかけ」で
自分が一皮剥けた気がしていた。
小学6年最後の試合。
形はいつもそこそこだったので、3位だった。
そんなことよりも・・・
僕はいつもより、緊張していた。
なんと組手は一回戦から県内でとても有名な選手。
先生からは「逃げずに前に!」とか
母からも「逃げずに前に!」とか
先輩からも「逃げずに前に!」とか
みんな同じ事を僕に言ってきた笑。
名前を呼ばれ、会場へ。
試合が始まった。
この時の試合は、
開始早々に一発記憶が飛びそうなくらいに
痛いパンチをもらったことだけハッキリと覚えている。
僕は圧勝した。
気付いたら、
賞状とトロフィーをもらっていた。
初めて組手で優勝したのだ。
皆んな大喜びしていたみたいだが、
僕はあまり記憶がなかった。
ただ、勇気を出して「お前らー!」と言うより
怖くなかったことだけは覚えている。
試合には小学校名で出場していたこともあり、
小学校で表彰された。
いじめっ子退治した話題と、
学校で表彰されたことで、
凄い強い人というイメージを作ってしまったのだ。
これがまた曲者となるキッカケとなるんだ。。
第3話 「きっかけは、少しの勇気。」完
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